【tanuki journal】No.17 遊び心ある小物のコーディネートと名作家具のシンプルモダンな空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十七弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのは十年以上の付き合いになる家具ディーラーであるO氏宅。O氏の元で買付中にご自宅に伺わせていただきました。モノトーンを基調としたシンプルな室内の中に、所々に飾られた小物にデンマークらしいセンスを感じるコーディネートでした。


まず玄関を抜けるとダイニングエリアへ。白を基調としたシンプルで爽やかなコーディネートに、所々小物を合わせたスタイリング。

ハンス・J・ウェグナーのCH-24 Yチェアにフリッツハンセンのスーパー楕円テーブル。

今までの現地取材の傾向として、同じチェアで6脚揃えているパターンが多くみられるので、デンマークでは定番のコーディネートと言えるでしょう。照明はルイス・ポールセンのENIGMA 425。

テーブルの向かいにはコレクション棚。わいわいにぎやかで楽しげです。

カイ・ボイスンのくま。
カイ・ボイスンの衛兵のコレクション。

天使のオブジェ。こういったアートの取り入れ方が素敵。

カイ・ボイスンの象とダックスフンド。
イッタラのバード。

ビヨン・ヴィンブラッドのフラワーベース。

壁面にもたくさんのコレクション。遊び心ある楽しげなコーディネートです。

キッチンへ。定番の窓際の照明にはホルムガードを2灯使用。

ホルムガードのKropendelペンダントライト。

リビングエリアへ。

お寛ぎのところ、失礼致します。
ルイス・ポールセンのPH 3/2。

ラタンのサイドテーブルに観葉植物の組み合わせは相性良し。
キュートなネズミのオブジェ。

リビングエリアにはハンス・J・ウェグナーのCH445をはじめとして名作を使用。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

ルイス・ポールセンPH3/2。
ルイス・ポールセンPH80にハンス・J・ウェグナーJ16ロッキンチェア。

壁に光が明かるようにPH80を設置。光の陰影が美しい。

小物の遊び心。
コーナーに照明を吊るすのは定番コーディネート。


今回訪れたO氏宅は、当店で普段よく扱うチーク材やオーク材の素材を活かした家具は少なく、ペイント物のYチェアやスチールレッグのエッグチェア、革張りソファなどモノトーンでまとめられた空間となっており、こういったシンプルモダンなスタイリングにも対応する北欧家具の奥深さを感じた取材となりました。モノトーン基調の中に所々アクセントとなるアートや小物や照明を配置することで、シンプルになりすぎ心地よい空間に仕立てている点は参考になるのではないでしょうか。O氏ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.16 “現地取材”築約200年のリノベーション住宅に住むコレクター宅の暮らし

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十六弾はデンマーク現地の様子をお届けします。デンマークでの買い付けの日程を終了し、あとは帰国のみという段階で泊まったとある宿。建物や周りの環境もとてもよく辺りを散策しているとホテルのオーナーさんが声を掛けてくれ、話しているうちに隣接するオーナー宅の中を見せてくれることに。全然期待していなかったもののまさかのコレクションに遭遇して急遽取材することになりました。デンマーク恐るべし。

宿と隣接するオーナー宅は1827年に建てられ、水車を利用した製粉所として使われていたそう。1954年にデンマークで最初に保護遺産に指定された水車のひとつとなり、現オーナーが約17年前にこの建物を購入。リノベーションを行い二棟あるうちの片方は宿として、もう片方は自身で住まわれている。


まず二階に上がるとベアチェアが2台お出迎え。全然想定していなかったのでびっくりしました。

ハンス・J・ウェグナーAP19ベアチェア。

このベアチェアですが、お家をリノベーションの為に屋根を外した際に搬入したそうで、階段や窓も小さいため搬出ができないそう。ベストなセキュリティだ(笑)と言っていましたが、、、いいのでしょうかそれで。

ハンス・J・ウェグナーCH-29。

古いダイニングテーブルにハンス・J・ウェグナーのCH-29を合わせて使用。ジャンルは異なれどこういった組み合わせも良いのではないでしょうか。宿のオーナーさんは背もたれがフィットしてお気に入りとおっしゃっていました。当店でもお勧めのチェアのひとつです。

フィン・ユールのチーフティンチェア。

フィン・ユールのチーフティンチェア。ヴィンテージではなく現行品とのことですが、こちらも屋根を壊さないと搬出できないとのこと。

奥に進むと大量のロイヤルコペンハーゲンのコレクション。貴重な作品を拝むことができました。恐れ入りました。

大変貴重なロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ。
刻印から1894~1896年頃のものとのこと。

一階に下ります。カントリー調のリビングエリアには所々デンマークデザインの名作が配置されています。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

ルイス・ポールセンPH2/1。

奥にもルイス・ポールセンのランプ。

現代のデンマークでは断熱性能が高く部屋を広く取る間取りが多いが、今の住宅性能とは異なる昔の住宅は、寒さ対策で部屋を細かく区切って扉を付けて熱が逃げないようにしていたそう。”現代のデンマークの生活とはだいぶ違うけど、この生活が気に入っているわ”とオーナーさん。

キッチンへ。窓の正面に照明は定番の配置。窓の外の風景も素敵。

窓際のガラス小物は定番。お花もかわいい。

オーナーさんお気に入りのハンス・J・ウェグナーCH-29。

“昔はどこの家にも置いてあったのよ”というコンロを兼ねたストーブ。
夕食時に失礼いたしました。

ハンス・J・ウェグナーAP-29。

デンマークの伝統的な母屋をリノベーションした空間に、デンマークモダンデザイン以前の伝統的なスタイルとモダンデザインを組み合わせた心地よい空間が印象的な取材となりました。現代のデンマークの生活スタイルとは異なるスタイルではあるものの、窓際にガラス小物を置いたり、照明をぐっと控えめにするスタイルはやはりデンマーク。モダンデザインだけでコーディネートするのではく、カントリーやアンティーク調の家具達にデンマークのモダンデザインを取り入れたミックススタイルの参考になる有意義な時間となりました。急遽の取材対応ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.15 “現地取材”デンマークの古き邸宅で巡る、北欧ヴィンテージとアートが織りなす心地よい暮らしのヒント

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十五弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いさせていただいたのはフラワーアーティストのKarenさん宅。北欧ヴィンテージから現代作家の作品まで、様々な要素を取り込みながらもまとまりのある生活空間から心地よい生活のヒントをたくさん学んだ取材となりました。

Karen宅は戦前に建てられたもので、戦時下はドイツに接収されたものの終戦後に再びデンマークが奪還し、現在住まわれているKarenさんご一家が3代目の住人として暮らしている。当時は使用人を雇うほどの裕福な一家が建てたとのことで、建物内に使用人が使うための専用の階段や導線、各部屋に呼び出しの為の呼び鈴まで作られていたとのことで所々に歴史を感じる邸宅であった。


まず玄関を抜けるとダイニングエリアへ。広々とした空間にアルネ・ヤコブセンのアーム付きエイトチェアにピート・ハイン、ブルーノ・マテソン、アルネ・ヤコブセン共作のスーパー楕円テーブル。ご自身で塗られたという壁の青と緑が混ざったような絶妙な色合いの壁、赤いチェアとルイス・ポールセンのコントラスト、庭の緑の配色が絶妙でお互いを引き立てているよう。派手な赤色のエイトチェアもコントラストの赤色が入ることで浮かずに空間に調和している。

ラグで覆われて見えないが、このラグの下の床にも使用人を呼び出す呼び鈴のスイッチが残されている。

ルイス・ポールセン社製PHコントラスト ペンダント。

カラフルなラグは床だけでなく壁面でも活躍。色味だけでなくその風合いから暖かみも感じます。

Bjorn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)のポスター。

建てられた当時からのガラス細工。
同じカラーでのコーディネート。

美しい庭は手入れが行き届いている。こちらのお宅も窓にカーテンがなく、外とのつながりを感じやすくなっている。

日向ぼっこ中。
さらに深い眠りへ。
起きて挨拶してくれました。
立体的なアート作品。こういったアートを取り入れるのが本当に素敵。

リビングから玄関方面へ。

カイ・クリスチャンセンのチェストとミラー。
招き猫のラグ。ショッキングピンクで塗られたヒーターもアート作品に見えてきます。

少し見えにくいですが、丸い窓が素敵。

再びお部屋に戻りキッチンへお邪魔します。このキッチンは元々使用人しか使わない設計で仕切りの壁があったが取り壊してリノベーションをしたそうです。

キッチンの窓辺に照明を吊るすのがデンマーク流。外から見た時にちょうど美しく見える位置に配置されている。

ヴァーナー・パントンのフラワーポット ペンダントライト。

呼び出しのスイッチが押されるとここに部屋番号が表示される。

ダイニングエリアを抜けてリビングエリアへ。ご自身で塗られたという青い壁が印象的。

フラワーアーティストのKarenさんご自身の作品。

Meyer-Lavigneのフラワーポット。

Ana Kraš(アナ・クラシュ)のBONBON SHADE 380ランプ。

窓の向かいには巨大な絵画。作者は不明とのことですがインパクト大です。

絵画や小物、クッションの置き方まで絵になります。

暖炉を囲むエリア。クラシックなステンドグラスからスペーシーなVP グローブまで様々なテイストのものでコーディネートされている。

ハンス・J・ウェグナー、GE290。
ハンス・J・ウェグナー、GE290-3。

ヴァーナー・パントン、VP グローブ。

Bjorn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)のフラワーポット。

暖炉エリアの向かいの窓際スペース。たくさんのアート作品や小物が空間に彩りを与えている。

イルム・ヴィッケルソーのロッキングチェア。

Jo Hammerborg(ヨー・ハーマボー)のOrient(オリエント)。目線よりも低めに配置。

建てられた当時からのステンドグラス。

配置が美しい。

Lars Ejler SchiølerのランプOrigami。

階段を上がって二階にお邪魔します。

ルイスポールセンph4/3。
窓際の植物・小物は定番。

現地で買付の際に、チークの家具にペンキを塗ったものを見かけますが、こういったアクセントで使うのだとなんだか腑に落ちました。

5人家族のKarenさん。長女さんのお部屋ものぞかせていただきました。生活感はありながらも雑然としておらず、すっきりしています。

寝室にお邪魔させていただきました。

本を重ねて小物を飾る方法は、デンマーク現地でもよく見かけます。洋書を重ねるなどして気軽に取り入れやすいインテリアです。

長男さんのお部屋。ヴィンテージ家具は使われていませんが、デンマークのセンスを感じるすっきりとした清潔感のあるお部屋です。

先にも説明した通り、元々住み込みの使用人を雇う前提で設計された邸宅のため、使用人専用の階段が存在していて、住人のプライベートエリアに入れないようになっていたとのこと。

階段の踊り場のアート作品。

地下室へお邪魔します。倉庫として設計されたようですが、奥へ進むと、

黄色いタイルがかわいい。

バースペース。テーブルの天板を取り除くとビリヤード台が現れます。

フラワーアーティストのKarenさん。取材へのご協力ありがとうございました。Thank you so much!

今回はじめてお伺いし初対面となりましたが、丁寧に家中をルームツアーしてくださり終始感動しっぱなしの取材となりました。すべてが美しく、均整の取れたコーディネート、絵画や小物のセレクトセンス、その配置。どこを切り取っても参考にしたくなる美しいコーディネートでした。 私自身も含め、北欧ヴィンテージで揃えようとするとどうしてもチーク材一辺倒になりがちですが、様々なテイストをミックスしたスタイルや、真っ赤なエイトチェアのような大胆なコーディネートも取り入れてみることをお勧めしたくなるほど、印象的な光景でしたまた、日が当たる窓際に小物を飾ることによりガラス小物が引き立ったり、陰影の美しさが際立ったり、時間によって見え方が変わるという点も取り入れやすいのではないでしょうか。たくさんの心地よい暮らしのヒントを学べた貴重な機会となりました。Karenさんありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

 

 

 

 

【tanuki journal】No.14 “現地取材”名作家具と現代作家のコーディネート空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十四弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのはデンマーク最大級の家具ディーラーであるK氏宅。K氏の元で家具の買付後に十数年ぶりのご自宅に訪問させてもらいました。ゆったりとした広い空間に並ぶ名作家具や室内から望む眺望など贅沢な空間が広がっていました。


広々とした空間に名作家具が立ち並びます。

アルネ・ヤコブセンのスワンチェアにPH4 1/2-3 1/2 Glass Table。
象嵌が美しいサイドテーブル。
エリックバックのバースツールOD-61。
ホルムガード。こういった小物の配置も美しい。
ホルムガードのベースたち。

フィン・ユールのPOET。
向かいにはハンス・J・ウェグナーのピーコックチェア。

ピーコックチェアの隣を抜け隣の部屋へ。

歓談中、撮影失礼いたしました。

庭に突き出したお部屋からのこの眺め。なんとも贅沢です。デンマークでは一般的にカーテンを使用しませんが、カーテンのない窓は遮るものが少なくより室内と屋外が連なっているような一体感を感じます。

もう一度部屋に戻ります。

ハンス・J・ウェグナーRY25サイドボード。

Louis Poulse社、Poul HenningsenのPH Snowball。

現代の製品とロイヤルコペンハーゲンのベースの組み合わせも良いです。パステル調のドライフラワーとの雰囲気も◎。

奥の部屋に進み家族でゆったりくつろぐリビングエリアへ。それにしても広いです。

幾何学模様のパステル調の絨毯も良い雰囲気。

大きいカウチソファの影響で小さく見えますが、幅1.5mほどありそうな迫力ある絵画。
こちらの一人掛けは現代の木工作家GODSK SNEDKERIの作品MG31。
パステル調のドライフラワーの配色が絶妙。メタリックなキャンドルホルダもいい感じの雰囲気です。

象嵌が美しいサイドテーブル。

ストーブコーナーもスタイリッシュです。壁面へのオブジェの取り入れ方など参考になります。

この段差を作る点がグッド。


十数年以上の付き合いになるK氏の自宅には、北欧ヴィンテージ家具や雑貨と共に現代作家の作品も多数コーディネートされていました。パステルカラーのドライフラワーや絨毯などは空間によく馴染みつつ、良いアクセントとなっており参考にしたくなるコーディネートでした。夜の雰囲気も拝みたいと思いつつも、この時期は夜9時くらいまで明るいのでまたの機会としました。

余談ですが、今回は平日に伺いましたが、撮影の傍らK氏の旦那さんが夕方から夕食の準備をしていて、仕事を早く切り上げて家族との時間を大切にするさすがデンマークと肌に感じつつ撮影をしていました。もちろん日によるそうですが、それでも日本人の感覚からすると、やはり家での時間を大切にしている印象を受けました。撮影後はしばらくコーヒーを飲みながら雑談タイムとなり、デンマークと日本の働き方の違いやデンマーク人もデンマーク国内の税金や物価が高いと感じているなど、いろいろデンマークのリアルを肌で感じる取材となりました。K氏ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

 

【tanuki journal】No.13 建築家と作り上げた北欧建築の心地よい空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十三弾は石黒洋菓子研究所の石黒さんご夫婦宅を訪ねました。洋菓子を生業とされている奥様の仕事場兼ご自宅は北欧にインスピレーションを受けた建築家こだわりの空間。北欧ヴィンテージとの出会いから、お家造りのこだわりまでいろいろ伺いました。


-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで知りましたか?

石黒さん(旦那様):当時、家を建てる際に建築家の市川さんに内装の相談する段階で、和でもなく洋でもなくちょうどいい感じのナチュラルな雰囲気に合う家具はどうすればよいかを相談した際に、北欧ヴィンテージがよいとおすすめされて北欧家具tanukiさんを紹介されたのがきっかけでした。

石黒さん(奥様):私はお菓子を習いに都内に通っていた頃、教室の周辺に北欧雑貨を扱っていたお店があり、カトラリーなどの雑貨から知りました。家を建てる際は当時はフランスっぽくしたいとも思っていたのですが、最終的に北欧風を目指せばフランス風にもなると行きつき北欧ヴィンテージの家具を探し始めました。

 

-北欧ヴィンテージ家具で気に入ったポイントはありますか?

石黒さん(旦那様):日本家屋にも合う雰囲気や木のぬくもりなどが気に入りましたが、やはりその機能美だと思います。購入したこちらのダイニングテーブルは拡張できますが、伸ばしておいても仕舞っておいてもどちらの状態でも様になるというか、デザインが成立している。面白いギミックがありつつ柔らさもあわせ持った素晴らしいデザインが気に入っています。

ハンス・J・ウェグナーGE290チーク材仕様。右側は市川さんのオリジナルソファ。

イサムノグチのAKARI。

石黒さん(旦那様):実は当時、家の設計図もなにも決まっていない段階で今のダイニングテーブルと照明の購入を決めました。

石黒さん(奥様):当時パリで、天井から三連のライトを吊るしているパティスリーを見て、それにすごく憧れていました。そういった中で北欧家具tanukiさんで偶然出会い一目ぼれで購入しました。市川さんには、こちらのダイニングテーブルと照明ありきで設計を進めてもらいました。

石黒さん(旦那様):その為、照明はダクトレールではなく、シーリングを天井に三つ専用に作ってもらう仕様になっています。

デンマーク製のペンダントライト。

-ダイニングテーブルを使う上で気を付けていることはありますか?

石黒さん(奥様):購入当時に、店長さんがおっしゃっていた「買った家具は使わないともったいない」という言葉を今でも覚えていて、キズやシミなど、あまり気にせずに使うようにしています。ただ、ヴィンテージ家具ということで、お客様の方が食事の際に気を使われてしまう場面があったので、テーブルクロスを掛けたり、お子さんが来るときなどは、あらかじめビニールシートを敷いたりしています。これなら、お互い気兼ねなく使えますし。

石黒さん(旦那様):家具は飾るものでなく本来の用途でしっかり使いたい。木の製品なので傷やシミは気にしてもしょうがないと思います。オイル仕上げの北欧ヴィンテージ家具はメンテナンスは必要だと思いますが、気に入ったものを長く使いたいので、楽しみながら行っています。

購入当時からほぼ変わりないコンディションでご使用いただいているダイニングテーブル。

石黒さん(旦那様):先日参加したオイルメンテナンスのワークショップはとても参考になりました。革製品などのメンテナンスの説明ではよく“クリームは薄く伸ばす”と書いてあるため、ダイニングテーブルでもオイルを薄く伸ばして塗っていましたが、どうしても塗りムラ出てしまい、これでいいのか心配でした。ワークショップに参加して、正しいオイルの量や塗り方を学ばせてもらい、自信を持ってメンテナンスができるようになりました。

バタークリームを使用したオレンジのロールケーキいただきました。ありがとうございました。

現代画家の作品。

-こちらのキャビネットも古いものですか?

石黒さん(奥様):これは私の実家で商売をしていたのですが、その際に使用していた商品棚でした。磨きなおせばとてもよいものになると思い、市川さんに依頼してメンテナンスしていただき、元々2段だったものを二つに分けて脚を付けて並べました。このような古い家具を取り入れることで新築当時でも落ち着く空間になりました。

-家造りのこだわりはありますか?

石黒さん(旦那様):市川さんが関わったお宅を拝見し、市川さんのテイストが気に入って依頼をしました。和でもなく洋でもない雰囲気ということで最終的に北欧風に落ち着きましたが、この天井の段差はアアルトの建築を参考にしていますし、縦長の窓も北欧の建築を参考にしました。ソファスペースは障子を使用して和風ではありますが、四角いフレームを大きくとることで、和のテイストを抑えて明かりを取り入れるようにしました。

石黒さん(奥様):床も市川さんの提案で北欧建築を参考に曲線の仕切りを作りました。床材を曲線にカットし、境目に真鍮をはめ込んでいく難度の高い施工でしたが、市川さんが大工さんを説得してくださり、実現しました。

キッチンの床は防水性のクッションフロア、ダイニングの床はフローリングとなっていて、 一つの空間を、床材を変えることで、用途の区別。
市川さん手作りのテレビ収納を兼ねたサイドボード。

市川さんの奥様で造形作家 丸尾結子さんの作品。
光を取り込めるように作られた市川さんおすすめのスリットが入った引き戸。

市川さんの手作りの手すり。
今後活用を進める予定の敷地内にあるリノベーションされた古い蔵。

造園業を営むお父様が集めていた鬼瓦。

灯篭の脚をリメイクして使用。

ウォールユニットの一部をリメイクして壁に取り付けている。
LOVOTに見つめられながらの取材となりました。かわいい。

-石黒洋菓子研究所ではどのようなことをされていますか?

石黒さん(奥様):『素材が話しかけるフランス菓子』をテーマに、フランス菓子の教室や販売をしています。石黒洋菓子研究所のフランス菓子は、四季折々の美味しさをお届けするために、地元生産者から直接仕入れるいちご・いちじくや、こだわりの自家栽培の梅・あんず・ブルーベリー・レモン・さつまいもなどを使い、素材を活かした地産地消を大切にしています。今年で5年目になりますが、開業が2020年でコロナ禍だったため、焼き菓子のオンライン販売からスタートし、現在は自家焙煎珈琲とのセット販売も加わりました。

一昨年ぐらいから、少人数制でのレッスンを始め、昨年は、夏休みに英会話と簡単なお菓子作りを組み合わせた親子向けワークショップ、秋にはフルート奏者とシャンソン歌手の方をお招きしての音楽会を開催しました。店舗を構えていないので、マルシェ出店などもしています。

今後は、お菓子作りを趣味にしたい方のためのレッスンの充実や、DIY中の蔵とキッチンカーを活用して、フランス菓子と自家焙煎珈琲の予約販売をしていこうと準備を進めています。季節を感じながらフランス菓子を楽しむ豊かなひとときを、石黒洋菓子研究所に集うみなさんと、共有していくことが目標です。

-市川さんはどんな方ですか?

石黒さん(旦那様):市川さんは、壱弍参(ひふみ)建築設計事務所の代表として、東京都府中市を拠点に活動されています。住む人それぞれに心地良い空間を提案できるように心がけて設計に取り組まれています。

我が家の設計をお願いした際も、周辺の風景と自然に馴染む佇まい、そして、その中でどのように居心地の良さを育んでいくかという点を真摯に考え、ご提案くださいました。敷地内には造園業を営む父が手入れをしている庭があるのですが、その庭と新居との調和も大切に設計されており、窓越しに見える木々や、四季折々の花々を楽しみながら生活できる空間となっています。なかでも、毎年3月に見ごろを迎える紅梅は、ダイニングテーブル越しの窓のちょうど中央に位置しており、格別の眺めです。

市川さんとの関係は、家が完成して終わりではありません。暮らしを重ねる中での家との付き合い方について、今でもアドバイスをいただいています。例えば、新居の周りにフェンスを設置しようとした際には、はじめは既製品の導入を考えていたところ、「手作りするのはどうですか?大変ですけど、その分愛着が湧きますよ」と勧めてくださり、設置のレクチャーまでしていただきました。板を磨いてペンキを塗るという作業を繰り返し、約半年ほどかけてフェンスを設置した経験は、住まいに対する思いを深める大切な時間となりました。

敷地内にある古い蔵も、当初は取り壊す予定でしたが、「一度壊してしまったら、このような建物は、もう建てられないですよ」というアドバイスで保存することにしました。現在は、父が蔵の周りの庭造りを行い、私たちが蔵の内部をメンテナンスし、新たな空間として再生させています。

また、市川さんのお住まいは、設計からリフォーム施工まで、実験的にご自身でも手がけられたと伺っています。その理由を伺ったところ、「大工さんはじめ、業者の方と仕事をするときに、より円滑なコミュニュケーションが取れるように」とお話しくださり、まさに建築のお仕事は市川さんにとって天職なのだと、お会いするたびに感じています。


北欧ヴィンテージ家具を中心に据えた豊かな暮らしを垣間見ることができた石黒洋菓子研究所の石黒さんご夫婦宅。和でも洋でもない絶妙なバランスの空間づくりに加え、北欧のデザインが持つナチュラルな温もりと機能美が、暮らしに豊かさを与えることを実感しました。ダイニングテーブルや照明といった家具選びから始まり、設計に反映させた北欧テイストのユニークな工夫は、石黒さんご夫婦の生活を彩り、心地よい空間を創出しています。家具をメンテナンスしながら日常使いすることで生まれる経年変化を受け入れ楽しむ姿勢からは、物と人との豊かな関係性を学ぶことがでるのではないでしょうか。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

 

石黒洋菓子研究所

ホームページ:https://www.ishikurolaboratoire.jp/

インスタグラム:https://www.instagram.com/ishikurolaboratoire/

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.12 直しながら長く使い続ける。旧家から引き継いだ家具と北欧ヴィンテージ家具のある暮らし

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十二弾はOさん宅を訪ねました。ご自宅の建て替えを期に北欧ヴィンテージ家具に出会ったOさん。当店でご購入の北欧ヴィンテージ家具と共に、旧家から大切に使ってきた家具をご新居でも使い続ける「もの」を大切にする姿勢は、現代のライフスタイルに示唆を与えるヒントが詰まっていました。


-北欧ヴィンテージ家具はどのように知りましたか?

Oさん:当時ドレッサーを買いたいと思い、いろいろ検索したところどうやら私は北欧家具のデザインが好きなんだということに気が付いて北欧ヴィンテージ家具を知りました。さらに調べたところアルネ・ヴォッダーのドレッサーがとても好みでどうしても欲しくなり、近くにお店がないかなと調べて北欧家具tanukiさんがあることを知り始めて伺いました。その時ドレッサーのついでに何かほかにもかわいいものがないかなと両親とお店に見に行ったら両親がドはまりしました笑

アルネ・ヴォッダーのドレッサー。買付依頼をいただき当店でお探しいたしました。
ミナペルホネンのタンバリン柄のオットマン。

Oさん(お母様):お店に伺った際に見たこのオーレ・ヴァンシャーのソファは一目ぼれでした。自宅の建て替えのタイミングでソファを購入したいと思っていたのですが、革張りのどんと構えるようなソファでなく、ナチュラルな雰囲気で2人掛けくらいのものを探していたところこのソファに出会い、ファブリックの色味や座り心地、木材の雰囲気で購入をほぼ即決しました。それから毎回お店に伺うたびに、あっこれいいねとだんだん北欧ヴィンテージが増えていきました笑

オーレ・ヴァンシャーのセネター2シーター。コンディションがよかったためオリジナルの張地をそのまま使用。
ライティングビューロー。

Oさん(お母様):ダイニングテーブルは私の主人がこの色を気に入って購入を決めました。元々はとても大きなダイニングテーブルを使っていたのですが、普段は4人掛けで使い、孫たちが来たら大きく使える点も気に入りました。

ホルムガードのマンダリン。

-北欧ヴィンテージ家具を実際に使ってみていかがですか?

Oさん:このチェアがとても座り心地が良く気に入っています。以前の家では床に座ることが多かったのですが、今ではこの椅子に座って一日中過ごせるくらい座り心地がよく気に入っています。

Oさん(お母様):本当に座り心地がよくて疲れないですね。ソファも座りやすく気に入っています。

座り心地がとてもよくお気に入りのアルネ・ホフマン・オルセンのチェアとローズウッド材のダイニングテーブル。

Oさん:家具に傷がつくとあっと思ってしまうこともありますが、私はなんでも物を大事にして使いたいと思っていて、tanukiさんは家から近いこともあり、いつでもメンテナンスの相談ができる点にも魅力を感じています。普通の家具は保証がついていることもありますが、直らなかったり物自体を交換というところもある。そうではなく一つのものを長く使いたいと思っているので心強いですし安心感があります。

Oさん(お母様):多少の傷はついてしまってもまあいっかという感じですが、孫が来るときは何かこぼされてソファが汚れないようにカバーをしています。とんでもないギャングだから笑。

Erling Torvitsのネストテーブル。小さいテーブルをソファ前で使用中。

-ご自宅の建て替えのタイミングで家具を購入されたと思いますが、新築にヴィンテージ家具を使うことは特に気にならなかったですか?

Oさん(お母様):全然気にならなかったです。元々古い感じのものが好きなタイプで、北欧ヴィンテージも含めて古いものはしっかりしているので、大事にすれば長く使えますしまた再生できる。造りが安いものだと、壊れやすかったり壊れたら買い替えればいいかなと思ってしまい物を大切にできなくなってしまうと思います。傷が付いたりなにか不具合があっても直しながら大事に使おうと思っています。

張替で余った革を使用した当店オリジナルのコースター。かなりいい味に仕上がっています。

Oさん(お母様):旧家に日本のヴィンテージといえるようなものがたくさんありました。欅の大きな折りたたみテーブルがあって捨てないで直そうかと思っていたのですが重たすぎて手放してしまいました。ほとんどの物は処分してしまいましたが、今思えばインテリアで取っておけばよかったなと思います。そして早くtanukiさんを知っていれば活かせていたかもしれないので古いものは取っておくべきだったかなと思っています。

Oさん:旧家で使っていたボロボロのちゃぶ台や椅子もどうしても新居に持っていきたいと思っていました。どうしたら直るかなと思ってtanukiさんに相談して直してもらいました。十分使えていますし再生してよかったと思っています。tanukiさんで購入したソファやチェアも古いものですが、そういったものを使っていても直してもらえるというのはすごく安心感があります。また、買い替えるつもりはないですが、ヴィンテージ家具は価値が下がらないから買い取ってもらえる点も心強いです。今考えるとあのタイミングで購入できてお買い得でした。

Erling Torvitsのネストテーブル。
カイ・クリスチャンセンのNV31ローズウッド材。からし色のモケット生地との組み合わせがかわいい。
当店でメンテナンスさせていただいた欅のちゃぶ台。

【ちゃぶ台のメンテナンスの様子はこちらから】

Omann Jun社のブックシェルフ。

Oさん:ダイニングチェアは良く座るので座面が擦り切れてきました。時期がきたら今後張替の相談をしにお店に伺いたいと思います。


新築のご自宅に北欧ヴィンテージ家具を取り入れながら、同時に大切にしてきた日本の古い家具も蘇らせて使い続けるOさん親子。『物を大切に使う』という姿勢から、物であふれた現代だからこそ、一つの物を長く修理しながら使い続けることで得られる心の豊かさに改めて気づかされました。北欧ヴィンテージであれ、日本の古い家具であれ、丁寧に手入れをしながら長く使い続けることで、愛着が深まり暮らしに温もりを与えてくれる存在になる。そんな心地よい暮らしのヒントをOさん親子の家で感じることができました。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

北欧家具tanuki 北島