【tanuki journal】No.17 遊び心ある小物のコーディネートと名作家具のシンプルモダンな空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十七弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのは十年以上の付き合いになる家具ディーラーであるO氏宅。O氏の元で買付中にご自宅に伺わせていただきました。モノトーンを基調としたシンプルな室内の中に、所々に飾られた小物にデンマークらしいセンスを感じるコーディネートでした。


まず玄関を抜けるとダイニングエリアへ。白を基調としたシンプルで爽やかなコーディネートに、所々小物を合わせたスタイリング。

ハンス・J・ウェグナーのCH-24 Yチェアにフリッツハンセンのスーパー楕円テーブル。

今までの現地取材の傾向として、同じチェアで6脚揃えているパターンが多くみられるので、デンマークでは定番のコーディネートと言えるでしょう。照明はルイス・ポールセンのENIGMA 425。

テーブルの向かいにはコレクション棚。わいわいにぎやかで楽しげです。

カイ・ボイスンのくま。
カイ・ボイスンの衛兵のコレクション。

天使のオブジェ。こういったアートの取り入れ方が素敵。

カイ・ボイスンの象とダックスフンド。
イッタラのバード。

ビヨン・ヴィンブラッドのフラワーベース。

壁面にもたくさんのコレクション。遊び心ある楽しげなコーディネートです。

キッチンへ。定番の窓際の照明にはホルムガードを2灯使用。

ホルムガードのKropendelペンダントライト。

リビングエリアへ。

お寛ぎのところ、失礼致します。
ルイス・ポールセンのPH 3/2。

ラタンのサイドテーブルに観葉植物の組み合わせは相性良し。
キュートなネズミのオブジェ。

リビングエリアにはハンス・J・ウェグナーのCH445をはじめとして名作を使用。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

ルイス・ポールセンPH3/2。
ルイス・ポールセンPH80にハンス・J・ウェグナーJ16ロッキンチェア。

壁に光が明かるようにPH80を設置。光の陰影が美しい。

小物の遊び心。
コーナーに照明を吊るすのは定番コーディネート。


今回訪れたO氏宅は、当店で普段よく扱うチーク材やオーク材の素材を活かした家具は少なく、ペイント物のYチェアやスチールレッグのエッグチェア、革張りソファなどモノトーンでまとめられた空間となっており、こういったシンプルモダンなスタイリングにも対応する北欧家具の奥深さを感じた取材となりました。モノトーン基調の中に所々アクセントとなるアートや小物や照明を配置することで、シンプルになりすぎ心地よい空間に仕立てている点は参考になるのではないでしょうか。O氏ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.16 “現地取材”築約200年のリノベーション住宅に住むコレクター宅の暮らし

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十六弾はデンマーク現地の様子をお届けします。デンマークでの買い付けの日程を終了し、あとは帰国のみという段階で泊まったとある宿。建物や周りの環境もとてもよく辺りを散策しているとホテルのオーナーさんが声を掛けてくれ、話しているうちに隣接するオーナー宅の中を見せてくれることに。全然期待していなかったもののまさかのコレクションに遭遇して急遽取材することになりました。デンマーク恐るべし。

宿と隣接するオーナー宅は1827年に建てられ、水車を利用した製粉所として使われていたそう。1954年にデンマークで最初に保護遺産に指定された水車のひとつとなり、現オーナーが約17年前にこの建物を購入。リノベーションを行い二棟あるうちの片方は宿として、もう片方は自身で住まわれている。


まず二階に上がるとベアチェアが2台お出迎え。全然想定していなかったのでびっくりしました。

ハンス・J・ウェグナーAP19ベアチェア。

このベアチェアですが、お家をリノベーションの為に屋根を外した際に搬入したそうで、階段や窓も小さいため搬出ができないそう。ベストなセキュリティだ(笑)と言っていましたが、、、いいのでしょうかそれで。

ハンス・J・ウェグナーCH-29。

古いダイニングテーブルにハンス・J・ウェグナーのCH-29を合わせて使用。ジャンルは異なれどこういった組み合わせも良いのではないでしょうか。宿のオーナーさんは背もたれがフィットしてお気に入りとおっしゃっていました。当店でもお勧めのチェアのひとつです。

フィン・ユールのチーフティンチェア。

フィン・ユールのチーフティンチェア。ヴィンテージではなく現行品とのことですが、こちらも屋根を壊さないと搬出できないとのこと。

奥に進むと大量のロイヤルコペンハーゲンのコレクション。貴重な作品を拝むことができました。恐れ入りました。

大変貴重なロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ。
刻印から1894~1896年頃のものとのこと。

一階に下ります。カントリー調のリビングエリアには所々デンマークデザインの名作が配置されています。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

ルイス・ポールセンPH2/1。

奥にもルイス・ポールセンのランプ。

現代のデンマークでは断熱性能が高く部屋を広く取る間取りが多いが、今の住宅性能とは異なる昔の住宅は、寒さ対策で部屋を細かく区切って扉を付けて熱が逃げないようにしていたそう。”現代のデンマークの生活とはだいぶ違うけど、この生活が気に入っているわ”とオーナーさん。

キッチンへ。窓の正面に照明は定番の配置。窓の外の風景も素敵。

窓際のガラス小物は定番。お花もかわいい。

オーナーさんお気に入りのハンス・J・ウェグナーCH-29。

“昔はどこの家にも置いてあったのよ”というコンロを兼ねたストーブ。
夕食時に失礼いたしました。

ハンス・J・ウェグナーAP-29。

デンマークの伝統的な母屋をリノベーションした空間に、デンマークモダンデザイン以前の伝統的なスタイルとモダンデザインを組み合わせた心地よい空間が印象的な取材となりました。現代のデンマークの生活スタイルとは異なるスタイルではあるものの、窓際にガラス小物を置いたり、照明をぐっと控えめにするスタイルはやはりデンマーク。モダンデザインだけでコーディネートするのではく、カントリーやアンティーク調の家具達にデンマークのモダンデザインを取り入れたミックススタイルの参考になる有意義な時間となりました。急遽の取材対応ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.15 “現地取材”デンマークの古き邸宅で巡る、北欧ヴィンテージとアートが織りなす心地よい暮らしのヒント

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十五弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いさせていただいたのはフラワーアーティストのKarenさん宅。北欧ヴィンテージから現代作家の作品まで、様々な要素を取り込みながらもまとまりのある生活空間から心地よい生活のヒントをたくさん学んだ取材となりました。

Karen宅は戦前に建てられたもので、戦時下はドイツに接収されたものの終戦後に再びデンマークが奪還し、現在住まわれているKarenさんご一家が3代目の住人として暮らしている。当時は使用人を雇うほどの裕福な一家が建てたとのことで、建物内に使用人が使うための専用の階段や導線、各部屋に呼び出しの為の呼び鈴まで作られていたとのことで所々に歴史を感じる邸宅であった。


まず玄関を抜けるとダイニングエリアへ。広々とした空間にアルネ・ヤコブセンのアーム付きエイトチェアにピート・ハイン、ブルーノ・マテソン、アルネ・ヤコブセン共作のスーパー楕円テーブル。ご自身で塗られたという壁の青と緑が混ざったような絶妙な色合いの壁、赤いチェアとルイス・ポールセンのコントラスト、庭の緑の配色が絶妙でお互いを引き立てているよう。派手な赤色のエイトチェアもコントラストの赤色が入ることで浮かずに空間に調和している。

ラグで覆われて見えないが、このラグの下の床にも使用人を呼び出す呼び鈴のスイッチが残されている。

ルイス・ポールセン社製PHコントラスト ペンダント。

カラフルなラグは床だけでなく壁面でも活躍。色味だけでなくその風合いから暖かみも感じます。

Bjorn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)のポスター。

建てられた当時からのガラス細工。
同じカラーでのコーディネート。

美しい庭は手入れが行き届いている。こちらのお宅も窓にカーテンがなく、外とのつながりを感じやすくなっている。

日向ぼっこ中。
さらに深い眠りへ。
起きて挨拶してくれました。
立体的なアート作品。こういったアートを取り入れるのが本当に素敵。

リビングから玄関方面へ。

カイ・クリスチャンセンのチェストとミラー。
招き猫のラグ。ショッキングピンクで塗られたヒーターもアート作品に見えてきます。

少し見えにくいですが、丸い窓が素敵。

再びお部屋に戻りキッチンへお邪魔します。このキッチンは元々使用人しか使わない設計で仕切りの壁があったが取り壊してリノベーションをしたそうです。

キッチンの窓辺に照明を吊るすのがデンマーク流。外から見た時にちょうど美しく見える位置に配置されている。

ヴァーナー・パントンのフラワーポット ペンダントライト。

呼び出しのスイッチが押されるとここに部屋番号が表示される。

ダイニングエリアを抜けてリビングエリアへ。ご自身で塗られたという青い壁が印象的。

フラワーアーティストのKarenさんご自身の作品。

Meyer-Lavigneのフラワーポット。

Ana Kraš(アナ・クラシュ)のBONBON SHADE 380ランプ。

窓の向かいには巨大な絵画。作者は不明とのことですがインパクト大です。

絵画や小物、クッションの置き方まで絵になります。

暖炉を囲むエリア。クラシックなステンドグラスからスペーシーなVP グローブまで様々なテイストのものでコーディネートされている。

ハンス・J・ウェグナー、GE290。
ハンス・J・ウェグナー、GE290-3。

ヴァーナー・パントン、VP グローブ。

Bjorn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)のフラワーポット。

暖炉エリアの向かいの窓際スペース。たくさんのアート作品や小物が空間に彩りを与えている。

イルム・ヴィッケルソーのロッキングチェア。

Jo Hammerborg(ヨー・ハーマボー)のOrient(オリエント)。目線よりも低めに配置。

建てられた当時からのステンドグラス。

配置が美しい。

Lars Ejler SchiølerのランプOrigami。

階段を上がって二階にお邪魔します。

ルイスポールセンph4/3。
窓際の植物・小物は定番。

現地で買付の際に、チークの家具にペンキを塗ったものを見かけますが、こういったアクセントで使うのだとなんだか腑に落ちました。

5人家族のKarenさん。長女さんのお部屋ものぞかせていただきました。生活感はありながらも雑然としておらず、すっきりしています。

寝室にお邪魔させていただきました。

本を重ねて小物を飾る方法は、デンマーク現地でもよく見かけます。洋書を重ねるなどして気軽に取り入れやすいインテリアです。

長男さんのお部屋。ヴィンテージ家具は使われていませんが、デンマークのセンスを感じるすっきりとした清潔感のあるお部屋です。

先にも説明した通り、元々住み込みの使用人を雇う前提で設計された邸宅のため、使用人専用の階段が存在していて、住人のプライベートエリアに入れないようになっていたとのこと。

階段の踊り場のアート作品。

地下室へお邪魔します。倉庫として設計されたようですが、奥へ進むと、

黄色いタイルがかわいい。

バースペース。テーブルの天板を取り除くとビリヤード台が現れます。

フラワーアーティストのKarenさん。取材へのご協力ありがとうございました。Thank you so much!

今回はじめてお伺いし初対面となりましたが、丁寧に家中をルームツアーしてくださり終始感動しっぱなしの取材となりました。すべてが美しく、均整の取れたコーディネート、絵画や小物のセレクトセンス、その配置。どこを切り取っても参考にしたくなる美しいコーディネートでした。 私自身も含め、北欧ヴィンテージで揃えようとするとどうしてもチーク材一辺倒になりがちですが、様々なテイストをミックスしたスタイルや、真っ赤なエイトチェアのような大胆なコーディネートも取り入れてみることをお勧めしたくなるほど、印象的な光景でしたまた、日が当たる窓際に小物を飾ることによりガラス小物が引き立ったり、陰影の美しさが際立ったり、時間によって見え方が変わるという点も取り入れやすいのではないでしょうか。たくさんの心地よい暮らしのヒントを学べた貴重な機会となりました。Karenさんありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島

 

 

 

 

小振りで収まりのよい掛け心地が魅力。カイ・クリスチャンセンのNV31を選ぶ理由

当店で取り扱う北欧ヴィンテージのチェア達。普段の生活で長く使うものだからしっくりくるものを使いたいところですが、有名デザイナーから無名のものまで数えきれないくらい種類があるので、チェア選びはなかなか悩みどころのひとつですよね。当店でもこれまでたくさんのチェアを買い付けて参りましたが、そんなチェア選びのご参考に今回はカイ・クリスチャンセンのNV31をご紹介します。

カイ・クリスチャンセンとは?

カイ・クリスチャンセン(Kai Kristiansen)は1929年にデンマークで生まれた家具デザイナーです。1948年頃、コペンハーゲンにある王立美術アカデミーに入学し、家具デザイン界の巨匠であるコーア・クリント(Kaare Klint)に師事します。その後わずか26歳で自身のスタジオを開いたクリスチャンセンは、やがてデンマーク・モダンスタイルと呼ばれるようになる家具を作り始め、後にデンマークの著名なメーカーで生産されることになります。
クリスチャンセンは、チーク材とローズウッド材の接合を得意とし、チェア、デスク、サイドボード、ウォールユニットなど、デンマークモダンを代表する家具を製作しており、そのデザインは時代を超えた今でも高い評価を得ています。

NV31とは?

1956年にSchou Andersen Møbelfabrik社よりカイ・クリスチャンセンデザインで発表されたモデル。現在では宮崎椅子から復刻しHANDYというモデルで生産がされています。当店の経験上、ヴィンテージのモデルでは、チーク材、アフリカンチーク材、ローズウッド材が存在し、小振りなサイズ感と座り心地の良さで当店でも人気の定番チェアのひとつです。


カイ・クリスチャンセンのNV31のおすすめポイント

NV31のおすすめポイントは下記にまとめられます。

①背中を包み込んでくれるようなフィット感

②ハーフアーム的な使い方ができる

③内向きの脚の後ろ姿

④バイカラーの張替も楽しい

詳しく見ていきましょう。

 

①背中を包み込んでくれるようなフィット

まずNV31の魅力は座り心地の良さです。見た目からもわかる通り背もたれが半円のような形になっていて、背中にやさしくしっくりとフィットします。デンマークのチェアとしては小ぶりなサイズ感なので、日本人の体格にもぴったり。背もたれの位置も腰をサポートしてくれるような位置なので長時間座っても疲れにくいです。

②ハーフアーム的な使い方ができる

NV31の背もたれは肘が少し掛かるくらいの位置にデザインされているので、アームチェア的な使い方も可能。もちろん腕全体をサポートしてくれるアームチェアとは使い勝手は異なりますが、少し引っ掛かるだけでも腕馴染み感が格段によくなります。アームチェアだとテーブルに収まらない、だけどアームチェアの機能性も捨てがたい、という場合には特におすすめなチェアです。

③内向きの脚の後ろ姿

NV31は後ろ姿も美しいチェア。その要因の一つはこの内向きの脚ではないでしょうか。ただ単にまっすぐに下ろすのではなく内向きにすることですっきりとした印象になり、且つ椅子を引くときに足に当たりにくくなるという実用性も考慮されています。また、フレームに三角形を作るいわゆるトラス構造をしているので、脚間に貫を作ることなく強度を保っているという点もポイント。美しさと実用性を兼ね備えたデザインです。

④バイカラーの張替も楽しい

NV31は背と座をそれぞれ張り替えますので、背と座を異なる生地で張り替えることも可能。自分だけのオリジナルの組み合わせを見つけて、世界に一脚だけの自分仕様のチェアを作る楽しみもあります。当店の定番はグレーとからし色の組み合わせ。背もたれのみミナペルホネンなどの柄ものを張ってもかわいいですね。


当店でも定番のカイ・クリスチャンセンのNV31。ヴィンテージのチェアとしては比較的市場での流通数は多く、買付で見つかる頻度も高いチェアですが、近年のヴィンテージ家具の相場上昇やコンディションのよい個体も減少してきているため、今後はより希少性も上がっていくでしょう。このモデルでお探しの場合は現行品のHANDYも選択肢のひとつですが、チーク材やローズウッド材などヴィンテージでしか流通の無いモデルをお探しの場合はぜひ当店までご相談ください。当店では買付から木部のメンテナンス、張替まで一貫して行い皆様にお届けしています。在庫がない場合も買付の際にお探し可能ですので、ご希望の場合はご遠慮なくお問い合わせくださいませ。

 

北欧家具tanuki 北島

「北欧家具と音楽とコーヒーと展」開催のお知らせ

雨の日が待ち遠しくなるヒュッゲなひとときを—-「北欧家具と音楽とコーヒーと展」開催のお知らせ。

梅雨しっとりとした季節。お家で過ごす時間が増える今だからこそ、北欧家具tanukiでは、心満たされる「ヒュッゲ」な空間づくりをご提案いたします。デンマークの暮らしが育んだ温もりと、心地よい音楽、そして香り高い一杯のコーヒーが織りなす、特別な空間をぜひご体験ください。

 


企画①ヴィンテージ家具によるヒュッゲな空間&コヤナギコーヒーニッポンによる至福の一杯をご提供

デンマーク現地で店長自ら体験した、実際に人々が暮らす心地よいお部屋。その空気感をヒントに、店舗の一角に北欧ヴィンテージ家具で設えた「お部屋」を再現しました。まるでご自宅のように寛ぎながら、家具が配置された実際の雰囲気をご体感いただけます。 期間中は、当店ご近所のスペシャリティコーヒー専門店「コヤナギコーヒーニッポン」が特別に用意したスペシャルティコーヒーを、無料でサービスいたします。北欧ヴィンテージのチェアやソファに実際に座りながら、香り高い一杯と共に、心落ち着く癒しの空間をお楽しみください。

 


コヤナギコーヒーニッポン

埼玉県東松山市にあるスペシャルティコーヒー専門の焙煎所。2020年創業。代表のコヤナギはニュージーランドに8年間滞在し、スペシャルティコーヒーに精通。ニュージーランドカップテイスターズチャンピオンシップ2016優勝、ニュージーランド代表として世界大会に出場し、9位。
甘さを強く引き出す焙煎で、酸とのバランスを取りながら、スペシャルティコーヒーが持つフルーティーさや華やかさを最大限に引き出した豆を多数扱っている。
東松山焙煎所は金・土曜日、10:00~15:00の営業、池袋出張所「Kimi Natural 73+Cafe」にてバリスタ兼カフェ責任者として水・日曜日にコーヒーをサーブしている。

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企画②音色が奏でる「ヒュッゲ」。VDSセレクトによるレコードの販売

北欧ヴィンテージ家具との相性も抜群。SKWATへの出店でも話題のVDS (Vinyl Delivery Service)が厳選した、梅雨の情景に寄り添うレコード出張販売いたします。レトロな趣きと温かい音色が魅力のレコード、「耳」からも心安らぐヒュッゲな時間をご提案します。お気に入りの音楽が、あなたの暮らしをより豊かに彩ります。店長の私物レコードも放出します。

 


VDS (Vinyl Delivery Service)

VDS (Vinyl Delivery Service)は、2018に設立された東京を拠点とするレコードショップ。 2021年には東ロンドンに店舗をオープン。2024年11月に話題のスポットSKWATへ出店。主に日本とヨーロッパで集めたレコードを取り扱い、リスニングの価値観を軸に、10年、20年経っても愛することができる、人生を通して寄り添ってくれる音楽をテーマにセレクトしている。 レコードを通して多種多様な知恵や思想を国を越えて運び、不変的な価値を届けていく活動をしている。

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企画③梅雨を彩る、特別な贈り物。ご購入者様へのプレゼント

ご自宅でも癒しの空間を。期間中、家具を5万円以上ご購入いただいたお客様へ、2つの特別な贈り物からお一つプレゼント。家具とコーヒー(or紅茶)でヒュッゲな体験をご自宅でもお楽しみください。

A「コヤナギコーヒーニッポン」がセレクトした、梅雨の時期に淹れたいコーヒー(3種類からお選びいただけます)

B 店長自らデンマークから持って帰ってきたイヤマの紅茶(数量限定)

この梅雨の生地、北欧家具tanukiが提案する家具と音楽とコーヒーが織りなす「ヒュッゲな時間」。 この梅雨は、憂鬱な気分を吹き飛ばし、心豊かな空間で楽しみましょう。 皆様のご来店を心よりお待ちしております。

 

【イベント期間】2025年6月13日(金)~7月13日(日)11~19時

【イベント会場】北欧家具tanuki 店舗内

※月曜日定休、火水木曜日はアポイントメント制となります。

コヤナギコーヒーニッポンのサービスコーヒーの提供は金土日の営業日のみとなります。

 

北欧家具tanuki

 

 

【tanuki journal】No.13 建築家と作り上げた北欧建築の心地よい空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十三弾は石黒洋菓子研究所の石黒さんご夫婦宅を訪ねました。洋菓子を生業とされている奥様の仕事場兼ご自宅は北欧にインスピレーションを受けた建築家こだわりの空間。北欧ヴィンテージとの出会いから、お家造りのこだわりまでいろいろ伺いました。


-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで知りましたか?

石黒さん(旦那様):当時、家を建てる際に建築家の市川さんに内装の相談する段階で、和でもなく洋でもなくちょうどいい感じのナチュラルな雰囲気に合う家具はどうすればよいかを相談した際に、北欧ヴィンテージがよいとおすすめされて北欧家具tanukiさんを紹介されたのがきっかけでした。

石黒さん(奥様):私はお菓子を習いに都内に通っていた頃、教室の周辺に北欧雑貨を扱っていたお店があり、カトラリーなどの雑貨から知りました。家を建てる際は当時はフランスっぽくしたいとも思っていたのですが、最終的に北欧風を目指せばフランス風にもなると行きつき北欧ヴィンテージの家具を探し始めました。

 

-北欧ヴィンテージ家具で気に入ったポイントはありますか?

石黒さん(旦那様):日本家屋にも合う雰囲気や木のぬくもりなどが気に入りましたが、やはりその機能美だと思います。購入したこちらのダイニングテーブルは拡張できますが、伸ばしておいても仕舞っておいてもどちらの状態でも様になるというか、デザインが成立している。面白いギミックがありつつ柔らさもあわせ持った素晴らしいデザインが気に入っています。

ハンス・J・ウェグナーGE290チーク材仕様。右側は市川さんのオリジナルソファ。

イサムノグチのAKARI。

石黒さん(旦那様):実は当時、家の設計図もなにも決まっていない段階で今のダイニングテーブルと照明の購入を決めました。

石黒さん(奥様):当時パリで、天井から三連のライトを吊るしているパティスリーを見て、それにすごく憧れていました。そういった中で北欧家具tanukiさんで偶然出会い一目ぼれで購入しました。市川さんには、こちらのダイニングテーブルと照明ありきで設計を進めてもらいました。

石黒さん(旦那様):その為、照明はダクトレールではなく、シーリングを天井に三つ専用に作ってもらう仕様になっています。

デンマーク製のペンダントライト。

-ダイニングテーブルを使う上で気を付けていることはありますか?

石黒さん(奥様):購入当時に、店長さんがおっしゃっていた「買った家具は使わないともったいない」という言葉を今でも覚えていて、キズやシミなど、あまり気にせずに使うようにしています。ただ、ヴィンテージ家具ということで、お客様の方が食事の際に気を使われてしまう場面があったので、テーブルクロスを掛けたり、お子さんが来るときなどは、あらかじめビニールシートを敷いたりしています。これなら、お互い気兼ねなく使えますし。

石黒さん(旦那様):家具は飾るものでなく本来の用途でしっかり使いたい。木の製品なので傷やシミは気にしてもしょうがないと思います。オイル仕上げの北欧ヴィンテージ家具はメンテナンスは必要だと思いますが、気に入ったものを長く使いたいので、楽しみながら行っています。

購入当時からほぼ変わりないコンディションでご使用いただいているダイニングテーブル。

石黒さん(旦那様):先日参加したオイルメンテナンスのワークショップはとても参考になりました。革製品などのメンテナンスの説明ではよく“クリームは薄く伸ばす”と書いてあるため、ダイニングテーブルでもオイルを薄く伸ばして塗っていましたが、どうしても塗りムラ出てしまい、これでいいのか心配でした。ワークショップに参加して、正しいオイルの量や塗り方を学ばせてもらい、自信を持ってメンテナンスができるようになりました。

バタークリームを使用したオレンジのロールケーキいただきました。ありがとうございました。

現代画家の作品。

-こちらのキャビネットも古いものですか?

石黒さん(奥様):これは私の実家で商売をしていたのですが、その際に使用していた商品棚でした。磨きなおせばとてもよいものになると思い、市川さんに依頼してメンテナンスしていただき、元々2段だったものを二つに分けて脚を付けて並べました。このような古い家具を取り入れることで新築当時でも落ち着く空間になりました。

-家造りのこだわりはありますか?

石黒さん(旦那様):市川さんが関わったお宅を拝見し、市川さんのテイストが気に入って依頼をしました。和でもなく洋でもない雰囲気ということで最終的に北欧風に落ち着きましたが、この天井の段差はアアルトの建築を参考にしていますし、縦長の窓も北欧の建築を参考にしました。ソファスペースは障子を使用して和風ではありますが、四角いフレームを大きくとることで、和のテイストを抑えて明かりを取り入れるようにしました。

石黒さん(奥様):床も市川さんの提案で北欧建築を参考に曲線の仕切りを作りました。床材を曲線にカットし、境目に真鍮をはめ込んでいく難度の高い施工でしたが、市川さんが大工さんを説得してくださり、実現しました。

キッチンの床は防水性のクッションフロア、ダイニングの床はフローリングとなっていて、 一つの空間を、床材を変えることで、用途の区別。
市川さん手作りのテレビ収納を兼ねたサイドボード。

市川さんの奥様で造形作家 丸尾結子さんの作品。
光を取り込めるように作られた市川さんおすすめのスリットが入った引き戸。

市川さんの手作りの手すり。
今後活用を進める予定の敷地内にあるリノベーションされた古い蔵。

造園業を営むお父様が集めていた鬼瓦。

灯篭の脚をリメイクして使用。

ウォールユニットの一部をリメイクして壁に取り付けている。
LOVOTに見つめられながらの取材となりました。かわいい。

-石黒洋菓子研究所ではどのようなことをされていますか?

石黒さん(奥様):『素材が話しかけるフランス菓子』をテーマに、フランス菓子の教室や販売をしています。石黒洋菓子研究所のフランス菓子は、四季折々の美味しさをお届けするために、地元生産者から直接仕入れるいちご・いちじくや、こだわりの自家栽培の梅・あんず・ブルーベリー・レモン・さつまいもなどを使い、素材を活かした地産地消を大切にしています。今年で5年目になりますが、開業が2020年でコロナ禍だったため、焼き菓子のオンライン販売からスタートし、現在は自家焙煎珈琲とのセット販売も加わりました。

一昨年ぐらいから、少人数制でのレッスンを始め、昨年は、夏休みに英会話と簡単なお菓子作りを組み合わせた親子向けワークショップ、秋にはフルート奏者とシャンソン歌手の方をお招きしての音楽会を開催しました。店舗を構えていないので、マルシェ出店などもしています。

今後は、お菓子作りを趣味にしたい方のためのレッスンの充実や、DIY中の蔵とキッチンカーを活用して、フランス菓子と自家焙煎珈琲の予約販売をしていこうと準備を進めています。季節を感じながらフランス菓子を楽しむ豊かなひとときを、石黒洋菓子研究所に集うみなさんと、共有していくことが目標です。

-市川さんはどんな方ですか?

石黒さん(旦那様):市川さんは、壱弍参(ひふみ)建築設計事務所の代表として、東京都府中市を拠点に活動されています。住む人それぞれに心地良い空間を提案できるように心がけて設計に取り組まれています。

我が家の設計をお願いした際も、周辺の風景と自然に馴染む佇まい、そして、その中でどのように居心地の良さを育んでいくかという点を真摯に考え、ご提案くださいました。敷地内には造園業を営む父が手入れをしている庭があるのですが、その庭と新居との調和も大切に設計されており、窓越しに見える木々や、四季折々の花々を楽しみながら生活できる空間となっています。なかでも、毎年3月に見ごろを迎える紅梅は、ダイニングテーブル越しの窓のちょうど中央に位置しており、格別の眺めです。

市川さんとの関係は、家が完成して終わりではありません。暮らしを重ねる中での家との付き合い方について、今でもアドバイスをいただいています。例えば、新居の周りにフェンスを設置しようとした際には、はじめは既製品の導入を考えていたところ、「手作りするのはどうですか?大変ですけど、その分愛着が湧きますよ」と勧めてくださり、設置のレクチャーまでしていただきました。板を磨いてペンキを塗るという作業を繰り返し、約半年ほどかけてフェンスを設置した経験は、住まいに対する思いを深める大切な時間となりました。

敷地内にある古い蔵も、当初は取り壊す予定でしたが、「一度壊してしまったら、このような建物は、もう建てられないですよ」というアドバイスで保存することにしました。現在は、父が蔵の周りの庭造りを行い、私たちが蔵の内部をメンテナンスし、新たな空間として再生させています。

また、市川さんのお住まいは、設計からリフォーム施工まで、実験的にご自身でも手がけられたと伺っています。その理由を伺ったところ、「大工さんはじめ、業者の方と仕事をするときに、より円滑なコミュニュケーションが取れるように」とお話しくださり、まさに建築のお仕事は市川さんにとって天職なのだと、お会いするたびに感じています。


北欧ヴィンテージ家具を中心に据えた豊かな暮らしを垣間見ることができた石黒洋菓子研究所の石黒さんご夫婦宅。和でも洋でもない絶妙なバランスの空間づくりに加え、北欧のデザインが持つナチュラルな温もりと機能美が、暮らしに豊かさを与えることを実感しました。ダイニングテーブルや照明といった家具選びから始まり、設計に反映させた北欧テイストのユニークな工夫は、石黒さんご夫婦の生活を彩り、心地よい空間を創出しています。家具をメンテナンスしながら日常使いすることで生まれる経年変化を受け入れ楽しむ姿勢からは、物と人との豊かな関係性を学ぶことがでるのではないでしょうか。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

 

石黒洋菓子研究所

ホームページ:https://www.ishikurolaboratoire.jp/

インスタグラム:https://www.instagram.com/ishikurolaboratoire/

北欧家具tanuki 北島