【Workshop stories】リペア職人川中のメンテナンスブログ #4

メンテナンス担当の川中です。今回で第4弾です。最近ディズニーランドに行ってきました!かなり久しぶりでしたが新しいエリアやアトラクションが増えていてとても楽しくてリフレッシュできました。

最近は雨が多いですね。雨の日や湿度が高い日は塗装の剥離がうまくできない事があるので剥離は晴れた日にしています。雨の晴れは貴重ですね。

 

さて、今回はデンマークの名匠ハンス・J・ウェグナーによってデザインされたダイニングチェアのメンテンスです。

作業前です。

笠木(背もたれ)の十字の象嵌(ぞうがん)が欠けているので新しく作り直すことにしました(赤丸部分の箇所です)。

経年のシミがあります。

解体して古い塗装を剥離して接着しているところです。

欠けた十字の象嵌を丁寧に取り除きました。

新しく作り直しました。トレースして隙間ができないように慎重に作業します。この細かい作業が腕の見せどころです。

十字の象嵌を接着してオイル塗布しました。

段差なく手触りも良く仕上がりました。

隙間もなく仕上がり、一安心です。

普段見えにくいところも綺麗に仕上げます。

ウレタンと生地を新しく貼り直して完成しました。

 

今回はデンマークの名匠ハンス・J・ウェグナーによってデザインされたダイニングチェアのメンテナンスでした。次回のメンテンスブログも楽しみにしていただけますと嬉しいです。

 

北欧家具tanuki 川中

【Workshop stories】リペア職人川中のメンテナンスブログ #3

メンテナンス担当の川中です。今回第3弾となります。最近は暑くなったり肌寒くなったりと身体が追い付きません…。スギ花粉が落ち着いたらと思ったら次はヒノキ花粉が飛んでいますね。皆様、体調にはくれぐれもお気を付けください。

さて、今回はカール・マルムステンのキャビネットの脚の補修です。

 

脚に変な力がかかったのか脚が外れパーチクルボードがぼそぼそになっています。そのまま接着すると強度に不安があるため少し大きめに削り修理していきます。

作業前です。

ルーターで大まかな部分をけずっていきます。

ノミで形を整えました。

埋め込む材は、今回は木目が似ているクルミの無垢材にしました。クルミは適度な硬さと粘りがあるので強度的にも良いです。

段差がないようにしっかり接着します。

色を入れました。

段差なく仕上がりました。

何度も確認しながら、きつすぎずゆるすぎず丁度よい径の穴をあけます。

接着中です。

接着が完了しました!

 

今回はカール・マルムステンのキャビネットの脚のメンテナンスでした。このタージマハルの屋根みたいなコマみたいな形のものが脚です。はじめ見たときはデザイン性とユニークな形にびっくりしました。次回のメンテンスブログも楽しみにしていただけますと嬉しいです。

 

北欧家具tanuki 川中

 

【Workshop stories】リペア職人川中のメンテナンスブログ #2

メンテンナンス担当の川中です。今回第2弾となります。だいぶ暖かいも日も増え花粉症に悩まされております…。今年も飛散量は多いみたいですね。それでも桜の開花が毎年楽しみでもあります。今年のお花見はどこに行こうかな?

さて、今回はデイベッドのメンテンスをご紹介したいと思います。

メンテナンス前です。オーク材の突板が剥がれています。

鑿(ノミ)で剥がれた突板の部分を整えます。この時、範囲が最小で目立たなくなるように気をつけます。

薄くスライスしたオーク材を貼り付けました。隙間がなく木目や模様が同じ向きになるようにします。

鑿ではみ出た部分を削り取っています。

表面を整えました。

 

色を合わせました。矢印の部分が補修した部分です。仕事を始めた頃は色合わせがとても難しく苦労しましたが、根気よく続けて自然に仕上がるようになってきました。これからも日々努力していきます。オイル塗装して完成です。細かい作業も丁寧に心を込めて作業しています。

今回はデイベッドのメンテンスでした。次回のメンテンスブログも楽しみにしていただけますと嬉しいです。

 

北欧家具tanuki 川中

 

 

 

 

【Workshop stories】リペア職人川中のメンテナンスブログ #1

北欧家具tanukiにてメンテンナンスを担当している川中です。以前も少しメンテナンスについてブログを書いたことがありますが、これから定期的にメンテナンスの様子をブログにまとめてみようと思います。普段はあまり表に出ないメンテナンスの様子をご紹介できればと思います。

まずは簡単に自己紹介を。出身は長崎で、以前は門松・鐘楼(しょうろう)船を作る竹職人をしていました。その後、木工の学校に通い、家具製作所を経てtanukiのメンテンススタッフとして入社しました。趣味はギターの弾き語りです。昨年、お店でクリスマスインスタクライブを行いました。また、やる機会がありましたら是非ご覧いただけると嬉しいです。

さて、今回はコーナーチェストのメンテンスをご紹介したいと思います。

 

残念ながら配送中の事故により角がつぶれてしまいました。今回はつぶれた部分の角を再生して突板を張り直して修復します。

小鉋(こがんな)で不要な部分を削ります。他の部分を傷つけないように慎重に作業します。

ノミを使って切口を整えます。このノミは研ぎやすくよく切れてとても使いやすいので、こんなに短くなっても使い続けています!

サンドペーパーで表面を調整します。

調整が完了しました。角を新たに作るために部材を作ります。

何度も当てながら材を調整します。

部材を取り付けます。隙間がでないように気を付けて接着します。

接着完了!

余分な部分をカットしていきます。本体が傷つかないように紙を当ててカットしています

このノコギリは刃にあさり(左右交互に外側に出ている刃)が無いので本体に傷がつきにくいです。

ノミで形を整え中。

角を再生しました。

ルーターを使って突版を貼る厚みを削っていきます。

突板を貼って色合わせ後、今回のコーナーチェストは全体的にラッカー塗装されていたので、艶感を調整してラッカー塗装して完成です。

BEFORE

AFTER

今回の作業では隙間やでこぼこが出ないよう気を付けました。今回はお客様のご希望で突板を継ぎ足す方法で行いましたが、もし継ぎ目をなくしたい場合は前面部分すべての突板の張り直しなども行います。今後もこのようにメンテナンスブログを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

北欧家具tanuki 川中

オイルメンテナンスのワークショップを開催しました。

当店ではこれまで家具をご購入のお客様にはメンテナンス用のオイルをお渡しし、定期的なオイルメンテナンスをお勧めしてきましたが、口頭では説明はするものの実践する場がこれまでなかったなと思い今回このような企画をいたしました。当店で仕上げの基本としているオイル仕上げは定期的なメンテナンスが必要です。もちろんオイルメンテナンスをしなくても急激にコンディションが悪化したり、すぐ使えなくなることはないですが、家具をより良い状態を保ちより長く生活を共にしていただきたく今回オイルメンテナンスについてお伝えさせていただきました。

今後もオイルメンテナンスのワークショップは定期的に開催予定です。開催が決まりましたら逐次お知らせいたしますので、ご希望の方はお申込みくださいませ。

■ワークショップの流れ

今回のワークショップは下記の流れで行いました。

①塗装についての基礎知識の解説

②オイルメンテナンスについての解説

③講師によるオイルメンテナンスの実践

④参加者様のお持ち込みの家具にオイルメンテナンスの実施

【①塗装についての基礎知識の解説】

まずはざっくり家具の塗装についての解説をしました。具体的にウレタン塗装、ラッカー塗装、オイル塗装のそれぞれの特長やメリット・デメリットをお話しいたしました。

塗膜の性能だけの観点で見ると、オイル仕上げはウレタン塗装やラッカー塗装に及びません。傷もシミも付きやすいです。また、オイル仕上げで手触りよく仕上げるには、4~5段階に分けてサンディングペーパーで素地を調整する必要があり結構実は手間も掛かります。その代わり、木の質感を残したより自然な風合いに仕上がるため当店ではオイル仕上げをメインとしています。

なるべく買った当時のままのコンディションを維持することを優先したい場合は、ウレタン塗装などはオイル仕上げよりおすすめな仕上げとなります。ただ、部分的な補修ができないのと、どうしても耐用年数があり数十年すると黄変したり、塗装が剥がれてきます。個人の感覚にもよりますが、私個人としてはこれは味の出る経年変化ではなく劣化に近いかと思います。オイル仕上げは傷やシミはつきやすいですが、定期的にオイルを塗って世話を焼いたり面倒見ることで一緒に年を取っていく存在になると思います。これまでのストーリーが刻まれ自分色に雰囲気がでてより味わい深く愛着の沸く相棒になっていくと思います。そんな家具との付き合い方や距離感がよりすてきで豊かな生活に貢献するものと思っています。

【②オイルメンテナンスについての解説】

当店でおすすめしているメンテナンス用オイルのビボスオイルは木の表面に浸透して固まる性質の乾性油です。ただワックス成分も含んでいるため、表面で固まって表面を保護する役割も持っています。

オリーブオイルやサラダ油を家具に塗る方もいらっしゃったりしますが、(先日のデンマーク買付で訪ねた個人宅でもオリーブオイルを塗っていました)乾かない不乾性油なので当店ではお勧めしません。

【③講師によるオイルメンテナンスの実践】

塗装やオイル仕上げについて全般的に解説した後、いよいよオイルメンテナンスの実践です。棚板のサンプルを用いてオイルメンテナンスの手順を解説いたしました。

【④お持ち込みの家具に参加者様に実際にオイルメンテナンス】

実際にお持ち込みの家具にオイルメンテナンスを参加者様に行っていただきました。当日お持ち込みがない方には当店でサンプルをご用意しました。

作業自体はあまり難しいものではないのですが、どのくらいオイルを塗った方がいいのか、どこまで素地調整すればよいのか家具のコンディションによって最適な方法はそれぞれです。

担当が付いて細かい手順や質問にもお答えいたしました。

 

■末永く北欧ヴィンテージ家具とお付き合いいただくために

当店で扱う北欧ヴィンテージ家具は製造から50~70年経ているものが中心です。現在の工業製品とは異なり、実用的な耐久性などは劣る部分も確かにございます。ただ、デンマークデザインの黄金期の家具達のデザイン性や実用性、チーク材をメインとした材の魅力や価値・美しさ、半世紀を経てもなお古さを感じない普遍的なデザインなど、現代の製品にはない魅力が溢れています。当店ではそんな家具たちを実用的に耐えられるようにするメンテナンスはもちろん、木の質感や手触りといった部分にもこだわりながら仕上げています。ぜひ今後も今回ワークショップで行ったオイルメンテナンスを行うことで、家具とのよりよい関係を築いていっていただければ幸いです。

 

北欧家具tanuki 北島

 

 

 

GE240/ハンス・J・ウェグナーのメンテナンス

口酸っぱく言うようですがほんとに近年は見つかりにくいGE240。

アームがチーク材仕様のより貴重な一品、前回の買付で運よく見つけました。

毎度のことながら懇切丁寧にメンテナンスしました。

まずは可能な限り解体です。

元々のフレームを傷つけないように細心の注意を払いながら解体。

この後、剥離・研磨・圧着等作業があるのですが、写真を撮り忘れいきなり完成の画像ですが、最高の仕上がりになりました。

ぜひその質感を店頭でお確かめください。

 

北欧家具tanuki 北島