サイドチェストの魅力とは? 3点にまとめてみました。

サイドチェストやいわゆるベッドサイドチェスト、3段チェストと呼ばれる引き出しが付いた小さな収納家具は北欧ビンテージ家具の中でも特に人気のジャンルの一つ。当店でも入荷直後に売約済みになってしまうことがほとんどで、最近ではデンマークやスウェーデン現地でもなかなか見つかりにくくなってきており、今後どんどん見つかりにくくなってくると思います。お探しの方はご遠慮なく当店へご連絡ください。入荷情報をご連絡致します。

そんな北欧ビンテージ家具のサイドチェストはなぜ人気なのか、その魅力をまとめてみました。

①なんといってもかわいい

いきなり抽象的な説明になってしまいますが、やっぱりその見た目のかわいさは群を抜きます。なんといってもその小振りな姿、華奢な脚、控えめな存在感に愛おしさを感じます。お部屋の片隅でちょこんと健気にいてくれると、生活を共にする中で自然に愛着も沸いてきます。特に丸い取手のサイドチェストは人気の一つ。何かおどけたような表情が何ともかわいいです。デザイン大国デンマークが1950~70年代当時からこの感性を有しているのはさすがです。

なんといってもこの表情。ほっこりした気持ちになります。木目もとても美しいですね。

こちらもこの表情がなんとも言えません。

すらっとした華奢な脚、すっきりとしたデザインが素敵です。

②小振りで置き場所に困らない

サイドチェストは小振りなものが多く、小さなお部屋や狭い空間にも置き場所に困ることなく設置が可能な点も魅力の一つ。大きい家具はたとえば模様替えや引っ越しの際に置き場所に苦慮することもしばしばかと思いますが、サイドチェストは模様替えも楽しめるほど置き場所の許容範囲が広く、インテリアのアレンジの幅が利きます。北欧ビンテージ家具を初めて購入される方にも導入がしやすく、北欧インテリアの第一歩としてもとてもおすすめです。

③比較的安価

他の北欧ビンテージ家具に比べサイドチェストの中心価格は3~5万円ほどと比較的安価なのも魅力の一つ。もちろんハンス・j・ウェグナーやヨハネス・アンダーセンなどのデザイナー物は高価になりますが、比較的安価なものもたくさんあります。価格差の要因としては、取手や細かな部分の作りや大きさ、材の違いによるもの。高価なものほど細かな造りこみが見受けられます。小さくても作りこまれたサイドチェストは、大型家具にも負けない繊細で美しい魅力を持っています。価格的にも北欧ビンテージ家具の第一歩としておすすめです。

こちらはカイ・クリスチャンセンのチェスト。取手の作り、華奢な脚が素敵です。

こちらはハンス・j・ウェグナーのサイドチェスト。シンプルなデザインですが、素材感を活かした作りこみがされている一品。

・北欧インテリアの第一歩としても

サイドチェストはベッドサイドやお部屋の片隅でさりげなく活躍してくれ、インテリアのワンポイントとしてもとても魅力的な家具です。北欧インテリアにご興味のある方も是非手始めとしてご検討していただいてもよいかと思います。近年では本当に現地で見つけにくくなっておりネットショップへの掲載前に売約済みとなることがほとんどですので、お探しの方はご遠慮なくお問い合わせください。当店でも今後もたくさん皆様にご紹介できるように努めて参ります。

 

北欧家具tanuki 北島

ハンス・J・ウェグナー(Hans J. Wegner)とは

北欧の家具を語る上で避けては通れないハンス・j・ウェグナー。

家具のデザインについて大きな影響を与えた人物で、20世紀を代表する家具デザイナーと言えます。当店でもウェグナーの家具は人気があるものばかりです。このブログで今までも何度かウェグナーについて触れてきましたが、今回は改めてウェグナー自身と、彼の代表作をご紹介致します。

 

■ハンス・j・ウェグナーの生涯

ハンス・j・ウェグナー(Hans Jorgensen Wegner)は1914年、デンマークとドイツの国境の町、トゥナーで生まれました。父の靴づくりを見て育ったウェグナーは幼いころからものづくりの環境で育ち、手に職をつけることを意識して育ちました。ウェグナーは13歳の頃から家具職人H.F.スタルバーグの元で家具の修行を始め、17歳で家具職人の資格を取得しました。デザインの経験もこの頃から積んでいたと言われています。ウェグナーは20歳になるまで家具の修行を行いましたが、兵役のためデンマークの首都であるコペンハーゲンへと出なければなりませんでした。

 

ウェグナーは兵役後もデンマークに残り、コペンハーゲン美術工芸学校に入学します。家具設計を専攻し卒業する1938年まで多くを学びますが、このとき同じくデンマークの家具職人として有名なボーエ・モーエンセン(Borge Mogensen)と出会い、公私にわたり親交を持つことになります。卒業後の1940年、ウェグナーはデンマークの建築家であるアルネ・ヤコブセン(Arne Emil Jacobsen)の事務所に勤務します。その際、アルネ・ヤコブセンが設計したことで有名なオーフス市の市庁舎の設計にも携わり、議会の椅子や婚姻届を受け付ける部屋に置かれるチェアなど、そこに納める家具のデザインも行いました。

 

ウェグナーは1943年に独立し、自分のデザイン事務所を開設します。この頃、ウェグナーは中国の明朝時代の椅子に影響を受けて、後に彼の代表作となるチャイナチェアシリーズの最初となる椅子をデザインします。このシリーズは大ヒットし、改良と量産が重ねられます。

ウェグナーは、その後も数多く名作を残し、1951年にルニング賞を受賞、1997年に第8回国際デザイン賞を受賞するなど、数々の実績を残します。他にもデンマーク王立芸術アカデミーの名誉会員や英国王立美術大学から名誉学士号がウェグナーに贈られています。1995年にはウェグナー美術館がウェグナーの生まれ故郷であるトゥナーに開館します。

 

2007年、92歳でウェグナーはこの世を去りますが、ニューヨークやミュンヘンなど世界中の美術館でその作品は展示されています。生涯500脚以上の椅子をデザインしたと言われるウェグナー。彼のデザインした作品は当時のデンマーク社会、住環境、経済状況などを反映し時代に即したデザインであると同時に、半世紀以上たってもなお古さを感じない普遍的なデザインが魅力であると言えます。

 

■ウェグナーの代表的な椅子・チェア

・CH-29/CH-30 ダイニングチェア

CH-29は1952年に発表されたダイニングチェアです。丈夫な椅子を作るために試行錯誤され、背もたれはエックスの形をしています。また、安楽性が高い構造としてデザインされ、背と座の角度は深く、座の全面部分は広くなっています。
CH-30はシンプルな椅子で、ダイニングチェアの基本と言えるようなデザインです。背もたれに十文字の契りがあることが大きな特徴で、これはウェグナーが見せるジョイント(接合部)としてデザインしたものです。

・FH-4283 チャイニーズチェア

1943年にウェグナーが中国明時代の椅子に影響を受けてデザインしたチャイナチェア。ウェグナー初期の代表作としても名高いFH-4283です。この椅子を期にウェグナーは様々な作品を発表します。1944年から数年間製造されましたが生産中止となり、1963年に再発表されました。細いラインながら座り心地やアーム先端の造形はとても手になじみます。

・PP-550 ピーコック・チェア

孔雀が羽を広げたような形が印象的なピーコックチェア。華やかさに重点が置かれているように見えるこの椅子ですが、人間工学的にも優れた形状をしています。背部は肩甲骨と重なるように位置が考えられ、座り心地を追及されています。

・PP-501 ザ・チェア

ウェグナーの作品の中でも完成度が高いと評価が高いザ・チェア。椅子の中の椅子という意味を込められ、ザ・チェアという愛称が付いたほどで、北欧の椅子の中でも代表的な存在と言えるでしょう。また、1960年に大統領選でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンがテレビ討論会でこの椅子が使用されたことでも有名です。

・CH-24 Yチェア

世界で最も売れた椅子と言われるYチェア。バリエーションの豊富さも人気の要素の一つで、フレームはビーチ・アッシュ・オーク・チェリー・ウォールナットの5種類あります。用途も広くダイニングチェアからデスク用チェアとして利用できます。

・PP-505 ザ・カウホーンチェア

肘部が牛の角(カウホーン)のようだから、ザ・カウホーンチェアと名付けられた椅子は、ちょうど良い長さの肘と背もたれの曲線が非常に特徴的です。籐張りの座面や背もたれを支える構造は高い技術によってのみ作ることができます。

・PP-250 ヴァレット・チェア

オブジェであるかのように、特殊な形状をしたヴァレット・チェア。背部はハンガーのように使用ができて、引き上げることができる座面はスラックスを掛けることができます。座面の下にも小物を入れることができるなど、デザイン性だけではなく便利な椅子。一つの椅子で身の回りのものを片付けることができるため、バレット(召使)やバチェラーズ(独身者)とも呼ばれます。

■まだまだあるウェグナーの家具

これら以外にもウェグナーのデザインによる人気家具はたくさんあります。またの機会に詳しくご紹介できればと思います。

当店でもウェグナーの椅子を取り扱っていますので、このブログを見てウェグナーに興味を持たれましたらぜひご来店ください。

 

北欧家具tanuki 北島

新年あけましておめでとうございます。

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

新年最初の営業日、早速お店オープンしております。

そして、年末ぎりぎりの入荷でお知らせができませんでしたが、

年末にイギリス便入りまして、アーコールやG planなどの商品が入荷しております。

お探しの商品がございましたらご遠慮なくお問い合わせくださいませ。

よろしくお願いいたします。

 

北島