北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。
第十弾は杉山さん宅を訪ねました。移築した古民家の広い空間にデンマークの名作家具から日本の大正時代の照明まで国籍を問わず古いものを集められている杉山さんご夫婦。数年前に北欧雑貨と手作りごはんのお店『.gut(テングート)』をオープンし二拠点生活をスタート。古民家のことから家具選びまでいろいろ伺いました。
-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで興味を持ちましたか?
杉山さん:元々は水屋箪笥など日本の古い家具から好きになり、いつからは覚えていませんが北欧の家具も集めるようになりました。当時北欧家具は日本の無垢材の家具とは違い張物のようなイメージがあり評価していなかったのですが、娘や3人いる孫たちをベアチェアに座らせたら楽しいだろうなと、そういう光景を見るのも幸せですし、そういうストーリーや将来の夢のようなことを考えられる家具だと感じ、いつかはベアチェアは欲しいと思うようになりました。仕事の関係でドイツに赴任中に現地オークションで購入し、帰国と共に持ち帰りました。デンマークのオークション会社でしたが、ベアチェア自体はドイツにあり、実際に見に行って状態を確認したうえで落札しました。



このほかドイツではデスク用のフィン・ユールのチェアや寝室にあるRY20なども購入し持ち帰りました。ダイニングに合わせてあるチェアもドイツで購入しましたが、座面が広く胡坐をかいて座れる点が気に入っています。


-実用的な家具というだけではなくご家族の思い出やストーリーの一部になる。素敵です。
杉山さん:いずれは娘夫婦に引き継いで、それから孫たちにも引き継いでもらいたい。孫は3人いるのでどのように引き継いでもらうか悩みますね笑
-こちらの古民家も素敵です。どのような経緯で建てられたのでしょうか。
杉山さん:元々この土地に建てられていた中古の物件にしばらく住んでいました。古いものが当時から好きだったので、建て替えの話が出た時に古民家の移築がいいねということになりました。通っている骨董屋さんの知り合いで建築デザイナーとして古民家再生を行うドイツ人のカール・ベンクスさんをご紹介いただき依頼しました。
杉山さん:普通の古民家の移築と違って、元の状態を再現するのではなく、設計・デザインをし直した上で組み替えるという手法で移築しました。そのため、柱の所々に元々は違う組み方をしていたのではないかという穴が開いていたりします。ベンクスさんに依頼した際は、特にこの建物の縦のラインを活かしたデザインにしていただきました。ちなみにベンクスさんの出身地は私たちが赴任していた都市と同じで縁も感じました。この移築した際に記念としてフィン・ユールのNo.45を購入しました。


-コーディネートされている小物類もいろいろなものがありますね。
杉山さん:古いものは国籍を問わず自分たちが気に入ったものを並べています。ドイツ赴任時や旅行先の骨董屋さんで購入したりしています。日本の古いものは大正時代のものが中心で、骨董屋さんや骨董市で集めてきました。


-北欧ヴィンテージ家具を使用する上で気をつけていることはありますか?
杉山さん:やはり水と熱には気を付けていて、ダイニングテーブルは普段は布とトレーを敷いて使用しています。鍋をする際は厚めの鍋敷き敷いて天板に熱が伝わらないようにしていますし、あとはオイルでのメンテナンスも行っています。オイルを入れると色味や艶も蘇りますし、そういう風にメンテナンスできるところがいいですよね。




-当店でご購入いただきましたダイニングテーブル、お届け当時のままのようで状態がとても良いですね。
杉山さん:このデイベッドもtanukiさんで購入させていただきましたが、本当に状態がよく、逆によくここまで残っていたなと思います。

杉山さん:感覚的なことですが、tanukiさんがメンテナンスした家具は縁のラインの出方がきれいな気がしていて、そういったメンテナンスの質も気に入っています。感覚的なので何の違いかよくわかりませんが笑。二階にあるRY20もいつかメンテナンスをお願いしたいと思っています。
古民家の趣とヴィンテージ家具が見事に調和した杉山さん宅。北欧の名作家具から日本の大正時代の照明まで、国や時代を超えて集められた品々には、それぞれに思い出やストーリーが刻まれています。特に印象的だったのは、家具を単なるインテリアとしてではなく、家族の歴史を紡ぐ大切な存在として捉えている視点。次世代へと受け継がれていく家具たちは、これからも新たな物語を紡ぎながら、暮らしに温もりを与え続けることでしょう。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも機会がございましたら当店をよろしくお願い致します。
そんな杉山さんのお店『.gut(テングート)』はご夫妻で買い付けてこられた北欧雑貨の販売と共に手作りごはんをいただけるお店です。ぜひ脚をお運びください。
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.gut(テングート)
埼玉県さいたま市浦和区上木崎4-1-30
電話070-8585-1871
https://tengut.com/
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北欧家具tanuki 北島