【tanuki journal】No.10 古民家と家族のストーリーを紡ぐ名作家具の空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十弾は杉山さん宅を訪ねました。移築した古民家の広い空間にデンマークの名作家具から日本の大正時代の照明まで国籍を問わず古いものを集められている杉山さんご夫婦。数年前に北欧雑貨と手作りごはんのお店『.gut(テングート)』をオープンし二拠点生活をスタート。古民家のことから家具選びまでいろいろ伺いました。


-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで興味を持ちましたか?

杉山さん:元々は水屋箪笥など日本の古い家具から好きになり、いつからは覚えていませんが北欧の家具も集めるようになりました。当時北欧家具は日本の無垢材の家具とは違い張物のようなイメージがあり評価していなかったのですが、娘や3人いる孫たちをベアチェアに座らせたら楽しいだろうなと、そういう光景を見るのも幸せですし、そういうストーリーや将来の夢のようなことを考えられる家具だと感じ、いつかはベアチェアは欲しいと思うようになりました。仕事の関係でドイツに赴任中に現地オークションで購入し、帰国と共に持ち帰りました。デンマークのオークション会社でしたが、ベアチェア自体はドイツにあり、実際に見に行って状態を確認したうえで落札しました。

ハンス・J・ウェグナーのAP19ベアチェアとAP29オットマン。

ハンス・J・ウェグナーのAP19ベアチェアとAP29オットマンをもう一組。

ハンス・J・ウェグナーのAT50サイドテーブル。

このほかドイツではデスク用のフィン・ユールのチェアや寝室にあるRY20なども購入し持ち帰りました。ダイニングに合わせてあるチェアもドイツで購入しましたが、座面が広く胡坐をかいて座れる点が気に入っています。

Svend Age Madsenのデスクにドイツで購入したフィン・ユールのチェアmodel197。
広い座面で胡坐を掛けるチェア。

-実用的な家具というだけではなくご家族の思い出やストーリーの一部になる。素敵です。

杉山さん:いずれは娘夫婦に引き継いで、それから孫たちにも引き継いでもらいたい。孫は3人いるのでどのように引き継いでもらうか悩みますね笑

-こちらの古民家も素敵です。どのような経緯で建てられたのでしょうか。

杉山さん:元々この土地に建てられていた中古の物件にしばらく住んでいました。古いものが当時から好きだったので、建て替えの話が出た時に古民家の移築がいいねということになりました。通っている骨董屋さんの知り合いで建築デザイナーとして古民家再生を行うドイツ人のカール・ベンクスさんをご紹介いただき依頼しました。

杉山さん:普通の古民家の移築と違って、元の状態を再現するのではなく、設計・デザインをし直した上で組み替えるという手法で移築しました。そのため、柱の所々に元々は違う組み方をしていたのではないかという穴が開いていたりします。ベンクスさんに依頼した際は、特にこの建物の縦のラインを活かしたデザインにしていただきました。ちなみにベンクスさんの出身地は私たちが赴任していた都市と同じで縁も感じました。この移築した際に記念としてフィン・ユールのNo.45を購入しました。

フィン・ユールのNo.45とハンス・J・ウェグナーPP52。

細かい作りこみの台湾製の古い提籃。

-コーディネートされている小物類もいろいろなものがありますね。

杉山さん:古いものは国籍を問わず自分たちが気に入ったものを並べています。ドイツ赴任時や旅行先の骨董屋さんで購入したりしています。日本の古いものは大正時代のものが中心で、骨董屋さんや骨董市で集めてきました。

イギリスのスミス製電気式時計。なぜか100Vで動いているとのこと。

ハンス・J・ウェグナーのAP30ピアノスツール。

-北欧ヴィンテージ家具を使用する上で気をつけていることはありますか?

杉山さん:やはり水と熱には気を付けていて、ダイニングテーブルは普段は布とトレーを敷いて使用しています。鍋をする際は厚めの鍋敷き敷いて天板に熱が伝わらないようにしていますし、あとはオイルでのメンテナンスも行っています。オイルを入れると色味や艶も蘇りますし、そういう風にメンテナンスできるところがいいですよね。

ヨハネス・アンダーセンのダイニングテーブル。

現行品にはない直径45cmタイプのVerona。光が柔らかくお気に入り。
ハンス・J・ウェグナーのAT48 ワゴン。
ロイヤルコペンハーゲンのテーブルランプ。

-当店でご購入いただきましたダイニングテーブル、お届け当時のままのようで状態がとても良いですね。

杉山さん:このデイベッドもtanukiさんで購入させていただきましたが、本当に状態がよく、逆によくここまで残っていたなと思います。

ハンス・J・ウェグナーのGE259デイベッド。

杉山さん:感覚的なことですが、tanukiさんがメンテナンスした家具は縁のラインの出方がきれいな気がしていて、そういったメンテナンスの質も気に入っています。感覚的なので何の違いかよくわかりませんが笑。二階にあるRY20もいつかメンテナンスをお願いしたいと思っています。


古民家の趣とヴィンテージ家具が見事に調和した杉山さん宅。北欧の名作家具から日本の大正時代の照明まで、国や時代を超えて集められた品々には、それぞれに思い出やストーリーが刻まれています。特に印象的だったのは、家具を単なるインテリアとしてではなく、家族の歴史を紡ぐ大切な存在として捉えている視点。次世代へと受け継がれていく家具たちは、これからも新たな物語を紡ぎながら、暮らしに温もりを与え続けることでしょう。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも機会がございましたら当店をよろしくお願い致します。

そんな杉山さんのお店『.gut(テングート)』はご夫妻で買い付けてこられた北欧雑貨の販売と共に手作りごはんをいただけるお店です。ぜひ脚をお運びください。

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.gut(テングート)

埼玉県さいたま市浦和区上木崎4-1-30
電話070-8585-1871
https://tengut.com/

tengut_shop

ten.gut

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北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.9 子育て世代の北欧ヴィンテージ家具との暮らし方

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第九弾はRさん・Tさんご夫婦のお宅を訪ねました。北欧スタイルの住宅の購入を契機に北欧ヴィンテージ家具を集め始めたというお二人。今回はデイベッドのお届けのタイミングで取材させていただき、家具選びの基準や小さいお子様と生活する上で気を付けていることなど伺いました。


-北欧ヴィンテージ家具や雑貨はどのように出会いましたか?

Rさん:夫婦ともに音楽鑑賞が趣味なのですが、デンマーク出身アーティストの音楽を聴くようになったことがきっかけで北欧の雑貨や食器に興味を持つようになりました。以前アパートに住んでいた際に家を建てるのであれば北欧風にしたいと思っていて、地元の工務店に依頼してお家を建てました。その建てる段階で家具も北欧のものにしたいと思って探し始めたことがきっかけです。いろいろなお店を周りましたがtanukiさんに初めて訪れた時にこれだ!とピンときました。当時夫はヴィンテージはただの中古という印象で抵抗があったのですが、tanukiさんの可愛らしい家具に出会ったことで、一気に価値観が変わって北欧ヴィンテージ家具を買いそろえるようになりました。

-北欧ヴィンテージ家具を気に入ったところはどのようなところですか?

Rさん:デザインが洗練されていながら、木の滑らかさや杢目の美しさも感じられるところに惹かれるんだと思います。木の質感や触り心地もよいので気が付くと撫でていたりします笑

-ヴィンテージ家具を選ぶ際に重視している点や購入の決め手はどのようなところですか?

Rさん:家を購入した当時は特定の家具を探しにいくという目的を持って見に行っていましたが、ある程度揃った今では直感でこれだ!という感じで出会いを楽しんでいます笑。今回届けていただいたラタンのデイベッドは以前から気になっていて、tanukiさんで見た瞬間に色味が部屋の雰囲気にぴったりだと思いました。知った当時よりも価格は上がっていましたが、一生ものでいつか子供にも引き継げますし、夫もどうせ買うならと背中を押してくれました。籐の一部分だけ直して真新しくなっているものでなく当時のオリジナルコンディションのものを探していました。

Tさん:今回購入したラタンのデイベッドは高額な買い物ですが、価値も下がらないしいいかなと思いました。車は何年か使ったら価値がなくなるものもありますが、ヴィンテージ家具はそういったこともないですし。tanukiさんで扱う家具は色味など部屋の雰囲気にとても合うので気に入っています。

今回お届けしたGE258オーク材ラタン仕様のデイベッド。籐は貴重なオリジナルコンディション。

-思い入れのある家具はありますか?

Rさん:全部思い入れがあります。最初の頃に購入したチェストは当時一台は欲しいと思っていました。縁のあるデザインのものを探していたらちょうどtanukiさんで見つけて購入しました。ガラスキャビネットの上にある照明も妊娠中につわりがひどくげっそりしていた時に夫が頑張ったご褒美としてプレゼントしてくれました。ひとつひとつエピソードがあります。

縁のあるデザインがお気に入りのチェスト。
ご褒美の照明。

-お気に入りの家具はありますか?

Tさん:壁に設置しているアルヴァ・アアルトのウォールシェルフがお気に入りです。tanukiさんで一目惚れして衝動買いしました。アアルトの家具はこれが初めてだったと思います。

Rさん:壁の余白に木のぬくもりが加わり、部屋の印象が一気に変わりました。曲線が気に入っています。

ヴィンテージのアルヴァ・アアルトのウォールシェルフ。

アラビア社のC&S、pikkukukkaとDoria。
イェンス・クイストゴーのC&S、レリーフ・コーディアル・アズール。

リサ・ラーソン。

イルマリ・タピオヴァーラのピルッカスツール。

新婚旅行先のノルウェーで購入した版画。

-小さいお子様との生活で気を付けていることはありますか?

Rさん:なかなか子供と北欧ヴィンテージの共存が難しいところで、本当はダイニングテーブルもオイル仕上げがよかったのですが、利便性や耐久性を考えてウレタン塗装にしました。結果よかったと思っています。

ウレタン塗装のダイニングテーブルにイルマリ・タピオヴァーラのファネットチェア、アルヴァ・アアルトのNo.69チェア。

Rさん:ほかにもこのGE290イージーチェアもアームの傾斜がちょうどよいみたいでトミカを走らせたがるのですが笑、これは大切なものだから遊ばないでねと伝えるようにしています。リビングのハンス・J・ウェグナーのコーヒーテーブルも普段は保護シートを敷いて使用していますが、音楽部屋にある丸いコーヒーテーブルはトミカでガシガシされるので、あれだけは諦めました。なるべく子供とお約束事を決めてどこなら遊んでいいか伝えたり、遊ぶスペースを別に用意してそこで遊んでもらったりいろいろ対策しています。

トミカに最適な傾斜のアームレストを持つハンス・J・ウェグナーGE290イージーチェアとコーヒーテーブルAT15。
ご夫婦の趣味の音楽部屋。ハンス・J・ウェグナーGE290A。

トミカでガシガシやられるハンス・J・ウェグナーのコーヒーテーブル。

UK・USロックを中心としたご夫婦のコレクション。
アルヴァ・アアルトのテーブル。

Rさん:このほかにもお部屋に観葉植物を置きたいと思っているのですが子供が葉っぱが好きでむしりたがるので置けなかったり、リサ・ラーソンの小物をもっと置きたかったり理想はあるのですが、現状は結構子育て仕様になっています。リアルな話共存はなかなか難しいですが、その理想は子供が育った時の楽しみにとっておいています。小さい子供がいるご家庭でどうしているのか、ぜひ今後のtanukiジャーナルで皆さんがどうしているか聞いてみたいです!

-確かに難しいところですよね。私がこれまで見聞きする中では皆さんけっこうそれぞれで、完全に気にしていない方もいれば、シートやマットを敷いて使っている方もいらっしゃいます。今後取材で聞いて記事にまとめてみます。

 

Rさん:子供にtanukiに行くと伝えると「行く!」と言ってお店のキッズスペースでよく遊ばせてもらっています。最近はある程度期間をあけてたまにtanukiさんに行ってみると、ビビッとくる出会いがあって。それをすごい楽しみにしています。


小さなお子様との生活の中で、理想と現実のバランスを取りながら北欧ヴィンテージ家具との暮らしを楽しまれているRさん・Tさんご夫婦。家具との出会いのエピソードや、お二人で選んだ思い入れのある家具たちが、豊かな暮らしに深く根付いている様子が印象的でした。『いつか子供にも引き継げる』というお言葉にあるように、北欧ヴィンテージ家具たちと世代を超えて、これからも素敵な家族の物語が紡がれていくことでしょう。いつも当店のご利用ありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.8 ”現地取材”アートと名作家具の空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第八弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのはデンマーク北部の都市在住のJ氏。過去に一度お宅を訪問させてもらい、そのコーディネートセンスに衝撃を受けたご自宅に改めてお邪魔しました。地上のワンフロア+地下の寝室というコンパクトな構成ながら、家具やアートがゆとりを持ってコーディネートされていました。


 

まずは玄関を抜けるとダイニングエリア。ボーエ・モーエンセンのダイニングテーブルやキャビネット、シバスト社やアルネ・ヤコブセンのチェア、ヴィルヘルム・ラウリッツェンのラジオハウスなどと共に観葉植物や鮮やかな青色が目を引くアートがよいアクセントになっています。オーク材を中心としたコーディネートもナチュラルな雰囲気で素敵です。

窓際にはボーエ・モーエンセンのBM62と共にアートを配置。

グンナー・ニールンドのベース。

ボーエ・モーエンセンのチェストの上にもさまざまなアートを配置。書籍の上に小物を置くディスプレイ方法は取り入れやすそう。

ダイニングエリアの反対側にはシンプルで美しいキッチン。

    

窓際のライトは定番。
ルイス・ポールセンPH 5/5 Pendant。
向かいのお家も素敵。

クリスマスシーズンにお伺いしたこともあり、本物のモミの木のクリスマスツリーがたくさんのプレゼントと共にコーディネート。

ハンス・J・ウェグナーのAP19。

リビングエリアにはルイス・ポールセンのコントラストやボーエ・モーエンセンのスパニッシュチェアやベンチ、ハンス・J・ウェグナーの貴重なJH-539スツールなどと共にさまざまなアートを配置。先日訪ねさせていただいたお宅でも見かけたスリットの入ったウッドパネルがより暖かみのある雰囲気に貢献しています。

ルイス・ポールセンのコントラスト。
デンマーク語でテレビという意味のFJERNSYN。昔のテレビ屋さんの看板だったとのこと。
ハンス・J・ウェグナーの貴重なJH-539。

ボーエ・モーエンセンのModel 5272ベンチ。

ポール・ハンディバッドのスツール。

地下にある寝室に降りる途中にはチェアのオブジェ。J氏曰く壊れたチェアを切ってみたとのこと。

半地下の一室は寝室として使用。イェンス・H・クイストゴーのイージーチェアStokkeやナナ・ディッツェルのModel 115キッズチェア、アイナー・ラーセン&アクセル・ベンダー・マドセンのマガジンラックなど家具から小物まで名作がたくさん。

William wattingのチェア。
ボーエ・モーエンセンのBM29ウォールシェルフ。
イェンス・H・クイストゴーのキャンドルホルダ。
イェンス・H・クイストゴーのStokke。
40 years of Danish Furniture Designの初版物。

今回は2度目の訪問となったJ氏宅。最初に訪れた時と同じくそのコーディネートセンスに感銘を受けっぱなしで、たくさんのアートに囲まれなんだか脳の普段使っていない部分がうずうずして未開拓の感性を刺激されたような体験でした。J氏の確かな審美眼で選び抜かれた家具やアート、そして丁寧なディスプレイは、コンパクトな空間ながら豊かな広がりを感じさせてくれます。北欧ヴィンテージ家具はチーク材がメインではありますが、このようなオーク材を中心としたコーディネートも素敵でとても参考になります。各所に飾られたアートやヴィンテージ家具は、歴史を感じさせるだけでなく、現代のライフスタイルにも見事に調和していました。デンマークの美しいデザインが、日常の暮らしを豊かに彩ることを改めて実感した時間でした。J氏ありがとうございました。

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.7 ”現地取材”築148年の住宅をリノベーションした本場の空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第七弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのは10年ほどの付き合いとなるJ氏宅。今回取材したい旨を伝えるとデザイナーズハウスじゃないし、ジャンク品と少しのナイスなアイテムくらいしかないけどいいの?謙遜していて、ボツ企画になるかもと思っていたところこのスタイリングときたのでデンマーク人のセンスの高さに良い意味で裏切られました。


J氏はデンマーク家具のディーラーで、個人の趣味として本格的な工房を持ち木工やDIYも得意。今回はJ氏の元で買付が終わった後にご自宅を見せてもらいました。

J氏が住むエリアは1600年代から集落として人が住み始め、近くの教会もその頃建てられたそう。J氏の住宅は1877年に商店として建てられた記録があり、さまざまな歴史を経て現在J氏が住んでいる。

当時の貴重な写真。左奥に見えているのが当時商店だった頃のJ氏宅。
当時の商店の様子。

まずは玄関から入った最初のホールにローズウッド材のグランドピアノとヴァーナー・パントンのVP GLOBEというクラシックとスペーシーが絶妙にミックスされたコーディネート。ロッカーでさえアート作品に感じてしまう空間。いきなり予想を超えてくる空間に感動を伝えようにも英語の語彙力がなさ過ぎて感動を伝えられないもどかしさに思わず窮する。

ホールの隣はキッチン。J氏がほとんどの部分をDIYで改修して使用している。コンロなどはオークションなどで安く購入したそう。

デンマークの街中を走っていると、窓から見えるちょうど良い位置に照明が吊られていることが多い。こういった造りが良い街並みを作り上げているのでしょう。

ホールの向かいはダイニングエリア。全体のバランスや配色、絵画やアートの取り入れ方、異なるテイストのものの組み合わせ、何から何までそのコーディネートセンスに脱帽。奥様が塗装をしたという古いテーブル天板に別のステンレス脚を取り付けてリメイクしたダイニングテーブルに赤いセブンチェアという構成。普通ならなかなか思いつかないコーディネートですが、パントンチェアや絨毯との絶妙なバランスによって、見事にまとめられています。照明はレクリントの CARRONADE を使用、空間をうまい具合に締めています。私自身も北欧ヴィンテージであればそのジャンルだけでコーディネートを考えてしまいますが、本当にデンマーク人はこのような異素材や異なるテイストのものの合わせ方がうまく勉強になります。 

このお部屋の主役、J氏の趣味であるお酒のコレクションを収納している大型のガラスキャビネット。SASのプレートがあることから、アルネ・ヤコブセンがデザインしたことで有名なラディソンSASロイヤルホテル(Radisson Blu Royal Hotel)で使用されていたもののようでかなりレアな一品。生涯売らないとのこと。

キャビネットの向かいのガラスの窓際にはホルムガードなどのガラス小物をコーディネート。他のお宅でも窓際や光が差し込むところにガラス小物を飾ってあるところをよく見かけます。 光を取り込みながら美しさを引き立たせています。

アフリカンアートや絵画など。古い携帯電話でさえアートです。

二階への階段の踊り場には標識。

書斎スペースにはアルネ・ヤコブセンのAJロイヤルやカントリー調のデスクなどをコーディネート。

ダイニングエリアを抜けると大量の書籍とJ氏のコレクションであるベースが壁面にたくさん飾られているリビングエリア。

リビングエリアの一角にはアルネ・ヤコブセンのエッグチェア。愛犬にいたずらされてもいいように、ほどよいヤレ感のエッグを使用しているとのこと。このバランス感覚。

リビングを抜けるとJ氏の趣味である木工の作業場へ。個人の趣味としてはかなり本格的。

オークションで落札した木工旋盤も本格的。配送に苦労したそう。

黄色のガーデンチェアとテーブルもアートに見えてきます。


J氏の住まいを訪れたことで、デンマークの文化や生活スタイルに触れる貴重な機会をとなりました。彼の家には、過去と現在が調和した空間が広がり、デンマーク人ならではの秀逸なセンスの良さに感動しっぱなしでした。特に、アートをさりげなく生活に取り入れる巧みさや、異なるテイストのアイテムを絶妙に組み合わせるスタイルにはやはり驚かされます。豊かで温かみのある暮らしのための多くのインスピレーションを得ることができました。今後も本場の生活空間を発信していきたいと思います。J氏ありがとうございました。

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.6 ”現地取材”名作が並ぶモダンで美しい空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第六弾はデンマーク現地の様子をお届けいたします。お伺いしたのは家具ディーラーでありながらコレクターでもあるJ氏宅。普段は地元の新聞社などからの取材依頼をすべて断っているそうですが、10数年の付き合いもあり日本向けの記事であることを伝えると快く今回の取材を受け入れてくれました。まさにデンマークらしい美しい光景が広がっていました。


玄関から廊下を通りまずはリビングエリアへ。白を基調とした広々とした空間に余白を持たせて家具が配置されています。メインの照明としてルイス・ポールセンPH5-4 1/2にパンテラフロアとAJ テーブルランプを配置。控えめな照明はきっと夜の雰囲気を高めることでしょう。正面のウッドパネルは木の温かみを感じられながら、スリットに消音スポンジが入っており音の反射を抑えられる機能があるという優れた一品でデンマークで人気があるとのこと。薪ストーブもスタイリッシュ。ゼブラ柄のラグが空間を間延びさせず且つ空間を引き締めています。

壁付けのウォールシェルフ。テレビはウォールシェルフに乗せず壁付けにしており、ごちゃごちゃしがちなテレビ周りもとてもすっきりまとめられています。J氏曰くこのウォールシェルフはフィン・ユールのものかもしれないが、どの書籍にも載っていないので真偽は不明とのこと。所々真鍮のパーツが使われておりクオリティーの高さが伺えます。

ハンス・J・ウェグナーのGE290AとCH28。

リビングの向かいには、ゆったりした空間に名作家具が並びます。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェアとスワンチェア。

取材した時期がクリスマスシーズンだったためプレゼントがディスプレイされています。アートの取り入れ方が俊逸です。

ホルムガードのCarnabyシリーズ。配置も美しい。

カイ・クリスチャンセンのウォールシェルフの下にはポール・ハンディバッドのmodel.41ゴールドヒル。ご夫婦で送りあうクリスマスプレゼントが置かれていました。素敵です♡

フィン・ユールのNV55とボーエ・モーエンセンのチェスト。

広いリビングエリアを抜けるとダイニングエリアへ。

フリッツ・ハンセンのスーパー楕円テーブルにハンス・J・ウェグナーのCH-29とYチェアを配置。照明はポール・ヘニングセンのコントラストを2灯使用しています。壁面の絵画と合わせてオレンジの鮮やかな色味が温かみを与え、ブラックのラグとチェアのレザーが空間を引き締めています。

ポール・ヘニングセンのコントラスト。
グスタフ・エアレンライフのホプティミスト。
リュンビュ・ポーセリンのベース。陰影が美しい。
リビングエリアで余ったウッドパネルをこちらにも使用しています。
ワンちゃんがいますが、名作椅子たちの脚は齧られていません。躾がしっかりしているのでしょう。

ダイニングの向かいにはキッチン。シンプルな構成です。

ルイス・ポールセンのPH 2/1を窓際に配置。
調味料入れやエッグポットも美しくディスプレイされています。

2階にもお邪魔しました。

階段を上がると大きな絵画が目の前に。作者は不明とのことですがインパクト大。

階段を上がって右に進むと第二のリビングエリア兼ゲスト用の部屋。ゆったり余裕のある空間に名作家具が並びます。

フィン・ユールのBo59とブワナチェア。

ヨー・ハマーボーのデスクランプ/プレジデント。
ハンス・J・ウェグナーのAT303とアルネ・ヤコブセンのセブンチェア。
スヴェン・ミデルボーのヴェローナ。

寝室もお邪魔させていただきました。こちらも名作が並びます。白を基調としたお部屋に家具がとてもよく映えます。

ハンス・J・ウェグナーAP19ベアチェア。
アクセル・ケアスゴーのチェストとミラー、フィン・ユールのBO-62。

一番奥のお部屋は奥様の趣味部屋。アクセサリーを作っているそう。絵になります。

ハンス・J・ウェグナーのCH20。

白を基調としたモダンな室内にデンマークを代表するデザイナーたちの名作がまるでプロのスタイリストがコーディネートしたかのように配置されていました。家具ディーラーゆえに家具に接する機会は多いにしろ、家具や雑貨、アートなど少なからず多からずといった絶妙なバランスで、まるでインテリアの教科書のようにお手本にしたいコーディネートセンスがどこから来るのか終始関心しっぱなしで多くの学びを得ることができました。J氏のセンスの高さに敬服する共に北欧ヴィンテージ家具とモダンな空間の相性の良さ、時代を超えた北欧ヴィンテージの普遍的なデザインの魅力も今回の取材で改めて感じました。豊かなお家時間の参考にぜひしていただければ幸いです。J氏ありがとうございました。

北欧家具tanuki 北島

 

 

 

 

 

【tanuki journal】No.5 デンマーク暮らしが教えてくれた、ヴィンテージ家具との心地よい空間のつくり方

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第五弾はSさんご一家を訪ねました。お仕事の出向で4年間デンマークで生活され、現地で感じたことをベースに帰国後は団地の一室を家具が映え、余白を楽しめる空間へリノベーション。現地で学んだことや、生活空間に対するこだわりなどを伺いました。


-北欧ヴィンテージはどのように出会いましたか?

Sさん(奥様):主人の仕事の関係で約4年間デンマークに住んでいました。主人の仕事が夜勤の為、日中に時間があり余っていた時に何気なくネットで見つけたアンティークマーケットを見に行ったことがきっかけです。その時にイージーチェアやイッタラのイエローティーマなどを購入し、家に持ち帰って置いてみたら素敵じゃんと。そこからチェストやチェアも欲しくなってきて、ひとつひとつ持ち帰って揃えていきました。

Sさん(旦那様):持ち帰ったものを家に置いてみたら日本から持ってきた家具とどうも釣り合わなくなって、絶対デンマーク家具で統一したいと思いました。それから現地のアンティークマーケットへよく行くようになり、日本の北欧ヴィンテージ家具屋さんの情報を見てデザイナーの名前を覚えたりしているうちになんだか楽しくなってきて、北欧ヴィンテージにどっぷりハマりました。仕事どころじゃなくなりましたね笑

Sさん(旦那様):住んでいた近所にも雑貨屋さんがたくさんあったので、小物もよく購入していました。観光地にももちろんありますが、観光地でない地元の雑貨屋さんでいろいろ探すのが楽しかったです。

長年のコレクションのノギンス社の木製バイキング人形。愛猫に遊ばれないよう高所に配置。

-北欧ヴィンテージのどのような点が気に入りましたか?

Sさん(旦那様):デンマーク家具はデザイナーズ物の造りはよいのはもちろんなのですが、デザイナーズではない無名の家具でもすごくクオリティーが高い。そこがすごい、ちゃんとできているししっかり使える。

現地で購入したハンス・J・ウェグナーのYチェアは刻印がされている最初期タイプ。
カイ・クリスチャンセンのネイルチェア。
ハンス・J・ウェグナーのGE290AとG planのオットマン。

Sさん(奥様):私はどちらかというと末広がりの脚などかわいらしいデザインよりも直線的でシンプルな方が好みなのですが、そういったデザインが気に入っています。脚が長いものが多く、掃除もしやすい。そういうところもすごく考えられているのだと思います。あとはリサラーソンなどの小物はどうしても集めてしまいます。かわいいですよね。

Sさん(旦那様):あとは例えばFDBやボーエ・モーエンセンなど庶民の為にデザインされたものなど、そういった思想が入っているものが好きです。どうだろかっこいいだろというよりも、実直で実用的な点が気に入っています。

ハンス・J・ウェグナーのGE19ベッドとAT12コーヒーテーブル。

-本場のデンマークで感じたことはありますか?

Sさん(旦那様):デンマークで住んでいた家の向かいにご高齢の夫婦が住んでいてたまにものをもらったりしていたのですが、少し玄関を見ただけでもすごいおしゃれでした。額縁などを飾っていたり物はたくさんあるのにバランスはよい。そういったことにとても憧れました。何気ないお家でもそのセンスの高さに驚きました。

Sさん(奥様):奥まで入ったことはなかったのですが、玄関だけでかっこいいなと。あるお家では日本人形を置いてあるのにすごくセンスがよかった。現地に住んでみてどこのお家もセンスが良く、みんなそれぞれがセンスを競っているのかなと感じました。あれいいねと参考になるものを取り入れたりして高めあっている感じはあると思いますし、きっと子供の頃からそういったものを見て育っているので自然とそういったセンスが身についているのかなと思います。日本人とは異なる何かがあると思うのですが、4年間ではそれがつかめなかったですね。

-確かに私もそれは感じます。何の変哲もないお家の中を見たらどの家も想像を超えるセンスの良さで驚きます。

Sさん(奥様):本当にそうですよね。一般人であのセンスは驚きました。

Sさん(旦那様):何気ない雑貨屋さんも本当にセレクトのセンスがよく、こういった感性がお互いを高めていっているのではないかと思います。近年はnomaなど世界的なレストランも出てきてますし、色合いとか飾りつけとか通じるところもあるのではないかと思います。また、フィン・ユール邸にも行きましたが、やっぱり一番のお手本ですよね。ただ、家具は贅沢だが実際の生活は質素。照明は暖色系の明かりがメインで落ち着きますし、控えめでそれがかっこいい。

Sさん(奥様):自国の家具をリスペクトしている感じはあるよね。本当にデンマーク人はデンマーク家具が好きなんだと思う。

豆苗がジャストフィットしているロイヤルコペンハーゲンのスクエアプレート。

-デンマークから帰国することになり、日本で住む物件はどのように探しましたか?

Sさん(奥様):デンマークに住んでいた時から物件は探していて、仕切りがなくある程度広い部屋にしたいと思っていました。素敵なデンマークを見てしまっていたから飾りも置きたいなと思っていて。

Sさん(旦那様):あまり利便性を求めていなかったというか、多少不便な立地でもいいから家に重きを置いてデンマーク家具が活かせる物件を探していました。カストラップ空港の辺りなどの新興住宅地はガラス張りのおしゃれなマンションも多いですが、実際はコペンハーゲンの街中には団地も多い。だから全然団地もいいなと思っていました。

Sさん(奥様):新築で購入してさらにリノベーションをすると費用も掛かりますし、中古のリノベーションで検討していました。デンマークではそれこそ築100年の住宅も普通にペンキ塗ったりして人が住んでいたりする。そんな感じでよかったので中古に対する抵抗はありませんでした。

Sさん(奥様):物件を決めた後はゼロリノベーションさんにリノベーションをお願いしました。全部白くしたい、仕切りをなくしたいなどの私のイメージを全部汲み取ってくれて実現してくれました。

リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018で部門別最優秀賞を獲得された内装は白を基調として広い空間が広がります。

Sさん(旦那様):狭い空間に家具が窮屈そうにまとまっているとかわいそうと思ってしまうので、家具にとってはこういった広い空間は絶対必要だと思っていました。仕切りが少ない分、寒さの問題は確かにあります。たぶん知識のある人が見ればここはこうした方がいいですよと言いたいことはたくさんあると思うのですが、気にしだすときりがないですよね。好き嫌いはいろいろあると思いますが、住んでいる人が心地よければそれでいいと思います。何よりも広い空間と白い壁が一番でした。あとは現地の住宅はリビングに重きを置いて寝室は結構小さいなと感じていました。そういった学びもリノベーションに活かしました。

Sさん(奥様):余白のある、余裕を持たせた空間にしたかった。欲しい家具もたくさんあるのですが、その子を活かす置き方ができないと思います。だからそれを買うのであればひとつ手放す、デンマークでの暮らしを通して、そう考えるようになりました

-家具を購入する際はどのように選びますか?

Sさん(旦那様):単品としてというよりも実際に部屋に置いたときのトータルとして考えるようにしていますが、直感も大切にしています。実は先日伺った際にtanukiさんで購入したオットマンも別のお店で他のチェアを検討していたのですが、tanukiさんで見てドはまりしてほぼ即決で購入しました。

Sさん(奥様):確かにうーんと考えてしまうものは結局買っていないです。私はデザイナーズというよりも直感で選んでいますが、主人はデザイナーズに弱いです笑

Sさん(旦那様):ウェグナーと聞くとよりよく見えてしまいます笑。最近購入したハンス・J・ウェグナーのコーヒーテーブルも最初は鉄の脚に違和感があったのですが、ウェグナーと聞いていいなと思いました。

-家具を使う上で気を付けていることはありますか?

Sさん(奥様):ダイニングテーブルの上に冷たい飲み物入れたコップを置くときはコースターを敷いたり、カセットコンロは使わないなど気を付けていますが、シミの失敗は何度もあります笑。子供がお皿をガンガンやったり。でもそれはそれでいいかなと思います。また、例えばこのテーブルがウェグナーなどの高価なテーブルだったらもっと気を遣うでしょうし、無名のテーブルだし子供が何かしてもまあいっかなと思えるものを使っています。イージーチェアが猫の爪とぎにされることもありますが、最悪張り替えればいいかなと思っていますし、細かいことを気にしていたらたぶんデンマーク家具は使えないと思います。リサラーソンも猫に何個も割られていますがこれもしょうがないかなという心持ちです。

愛猫のミミ。

Sさん(旦那様):デンマークで最初にシミを付けたのは玄関のチェストで、猫の花瓶に水を入れて花を飾っていたらいつの間にか漏れていて、こんなことになるんだと学びました笑

シミを付けた猫の花瓶。

Sさん(奥様):花瓶だよというから水を入れて飾っていたらこうなって、あの店主のおやじ!と思いました笑。テーブルの上にコンロを置いて鍋やしゃぶしゃぶはできないけど、できないなりに何とかなります。たこ焼きもキッチンでできますし工夫すればどうにでもなる。デンマークに住んでいたからこそ、そういった考えになったのだと思います。


デンマークで出会った北欧ヴィンテージ家具との暮らしを、日本でも大切に続けているSさんご夫妻。現地で学んだ美意識を日常生活に落とし込み、完璧を求めず気を遣いすぎることがなくほど良いバランスで家具と向き合う姿勢は、私たちに多くのヒントを与えてくれます。チェストについたシミについて語っている瞬間も楽しそうで、こういったことも良い思い出となるのだなと改めて感じました。白を基調とした心地よい空間の中で、これからも家具たちとともに、新たな暮らしの物語が紡がれていくことでしょう。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

北欧家具tanuki 北島