北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。
第十一弾はIさん宅を訪ねました。北欧ヴィンテージ家具を中心に、アンティークや趣のある小物たちを配した空間で、物を大切に使い続けることの豊かさを実践されているIさん。メンテナンスを楽しみながら愛着を持って暮らす姿勢から、これからの時代における心地よい暮らしのヒントを得る取材となりました。
-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで知りましたか?
Iさん(旦那様):現在住んでいる家を建てる話になった時に、新居に合わせる家具を探す段階でいろいろな家具屋さんを巡っていました。その中で北欧家具tanukiさんを知って見に行きその時に北欧ヴィンテージを知りました。
Iさん(旦那様):元々アンティーク物や軍物が好きで、イギリスやフランス、ベルギーなどのヨーロッパものを扱うお店によく行っていました。アンティーク物はずっと長く使う目線で丈夫でシンプルなものが好みだったのですが、北欧ヴィンテージはその飽きの来ないシンプルさに加えて木材の経年変化の美しさや機能的で長く使える実用性も優れているという印象で、それまでそういったものをあまり見たことがなく興味が沸きました。
-確かにこちらのSvend Age Madsenのダイニングテーブルはそれを体現したようなテーブルですよね。
Iさん(旦那様):まさにこのダイニングテーブルがそうですよね。エクステンション天板内蔵の丸テーブルはいろいろ調べてみていいなと思っていて、その機能がありながらこの丸みを帯びたデザインのテーブルをtanukiさんでみたときなんだこれは!と思いました笑。その時見たテーブルは売約済みでしたが、同じテーブルの買付依頼をさせていただき、数年越しで見つけていただきました。
エクステンション天板内蔵のSvend Age Madsenのダイニングテーブル。丸みを帯びたデザインが素敵な一品。
日本国内でも限定で発売されたPH3 1/2-3ペンダント(真鍮特注ソケットカバー+乳白ガラス)。当時すでに国内では入手ができず、当店に買付依頼をいただきデンマークから直接買い付けしました。
Iさん(旦那様):エクステンション天板内蔵タイプはイギリスのものだとまだ数はあるけどデンマークのものだと全然見つからないですし。そういうのも面白いなと思いました。テーブルに合わせてあるこのヨハネス・アンダーセンの椅子もディテールや曲線がきれいで気に入っています。
ヨハネス・アンダーセンのBA-113チェア。
こちらもヨハネス・アンダーセンのチェア。
Iさん(旦那様):今回届けていただいたヨハネス・アンダーセンのネストテーブルも全体に丸みがあって気に入っています。いずれはいろんなところに散らばらせて使いたいと思っていて、いろいろな使い方ができるのがネストテーブルのいいところですね。
Iさん(奥様):置いておくだけでもいいよね。絵になります。
今回お届けしたヨハネス・アンダーセンのネストテーブル。
-北欧ヴィンテージを選ぶ上でどのような点を見ていますか?
Iさん(奥様):私はデザインかな。
Iさん(旦那様):私もデザインですね。ちょっと面白いデザインをしているとかそれに加えて機能面も見ています。伸びるとかベッドになるとか。好きなデザイナーもいますが、最初はデザイナーを知らずに気になった家具がどのデザイナーだろうと調べていくと良いデザイナーを知ったりする感じです。元々集めていた軍物やアンティークものにも雰囲気が合うというか、他のものを邪魔しないというかそういうところもよいと思っています。
-前回訪ねさせていただいてから観葉植物が増えましたね。以前他の取材先で小さいお子様が植物にいたずらしてしまって置けないという方がいらっしゃいましたが、特に問題はないですか?
Iさん(奥様):今子供が4歳で興味はあるようなのですが、睨みを利かせるではないですが触らないでねとしっかり伝えると触らなくなりました。小さい頃はやっぱり触ってしまいましたが、最近は言うことを聞くようになったので4歳になってから植物は増やし始めました。
Iさん(旦那様):最初の頃は知らない間に触っていたこともありましたが、最近は言うことも理解できるようになってきたのでもう触っていないですし、今は水をあげたり手伝ってくれるようになりました。成長に従ってうまく共存は出来ています。
-北欧ヴィンテージ家具を小さいお子様がいらっしゃる環境で使用する際に気を付けていることはありますか?
Iさん(旦那様):最初はテーブルや床にシートはしていなかったのですが、フォークで天板を引っかいたりしたことがあって一応シートを敷くようにしました。そのほかにも椅子を噛んだりしたこともありましたが笑、そんなに気にしていないというか、もうしょうがないよねという感じです。なにかあればオイルを塗ったり自分たちでメンテナンスすればいいし、どうしようもなくなったらtanukiさんにお願いすればいいかなと思っています。
お子様の歯形。
Iさん(旦那様):デイベッドもバンバン飛び跳ねたりすることもありますし、汚れたりすることもあると思いますが、そういう時は余った生地でパッチワークのように縫ってもいいと思いますし、そのくらいの感覚です。家で使うものなので気にしすぎても疲れてしまうし、リラックスして使いたい。できる対策はしますがそれ以上のことは気にしていないですね。元々古いものを好きで使っているので、なにかあったら修復しながら使っていけばいいみたいな感覚です。
ハンス・J・ウェグナーのデイベッドGE-6チーク材仕様。
照明のスイッチ類もアンティーク物を使用。
今後取り付け予定の照明や小物類のコレクション。
眼鏡フレームのコレクション。
-こちらのご自宅も素敵です。お家を建てられるにあたりこだわったポイントはありますか?
Iさん(旦那様):うちはほぼほぼお風呂以外は施主支給で自分たちで用意しました。自分たちで手を加えて完成させたいという気持ちもあり、また使っていくなかで何かあった時に自分たちで修理できたりするので、長い目でみてメンテナンスできる点を考慮しました。
Iさん(奥様):私は元々和裁や洋裁をやっていて作るのは基本的に好きなので、手直しを自分たちでしたいという気持ちでした。自分たちでいろいろやると決めて、その靴棚なども自分たちで作りました。
-自分たちで手直しして使い続けるという点は北欧ヴィンテージ家具との接し方に通ずるものがありますね。
Iさん(奥様):言われてみればそうですね笑
Iさん(旦那様):かっこいい感じになってきたね笑
Iさん(旦那様):土間にミシンがありますが元々2年間くらい教室に通っていたことがあり、靴の修理もできます。革靴は靴底を交換すればまた長く使えますし、そういう感覚は家具をメンテナンスして長く使うなどの感覚とも近いかなと思います。
-北欧ヴィンテージを使う上で不便な点などはありますか?
Iさん(奥様):あんまりないよね、というか全然ない?いいねしか言っていない気がする笑
Iさん(旦那様):ないよね。買う前にはかなり調べてから買うのである程度どういったものかを把握して購入しているので全然ないですね。間違いない状態で買いたいので海外サイトとか翻訳して調べたりもします。あとはtanukiさんのようなプロに聞いたりしてますし、そんなない、というかないです笑。逆に皆さんどういった点を気にされるのですか?
-例えばテーブルの水シミや傷などをつけないようにするとか、水分が付いたときにはすぐに拭きとるように心がけるとか。
Iさん(旦那様):ある程度私たちは許容できるんだと思います。傷やシミなども経年変化のひとつという感覚ですし、よっぽど気になったらオイルでメンテナンスすればいいかなという感じです。まとめるとおすすめしかできないです笑
サイドボードの天板に穴をあけて洗面台として使用。海外のInstagramアカウントで事例を見つけ参考にした。壁面は未完成でご自身で漆喰を塗る予定。
デンマークヴィンテージのタイル付きミラー。
Iさん(奥様):最近行ったリサイクルショップで子供がキッチンを見て、これ使いやすいよねとか、色がいいよねとか身の周りのものに興味を持ってくれるようになりました。家具についても興味が出てきたようで家具屋さんにも一緒に連れていくのも悪くないなと思いました。蚤の市にも連れて行ったりしていろいろ見せているのもあるのかもね。
Iさん(旦那様):蚤の市でも高いものもあるのでいろいろ触らせるのも怖かったりするので、最終的には安いトミカを買って落ち着かせるのですが笑。今回購入したネストテーブルのことも子供に話したら興味を持ってくれるし、小さいころからこのような家具に触れさせるのもいいのかなと思いました。
Iさん(旦那様):ダイニングテーブルやランプを始めとして買付依頼をさせていただいたものもなんだかんだ見つけていただいていますし、その待っている時間も楽しみにしています。あとは、お店に伺った際はキッズスペースに助かっています。
Iさん(奥様):あれがなかったら大変だよね笑
Iさん(旦那様):今後は食器も集めていきたいと思っているので次回の入荷も楽しみにしています。
北欧ヴィンテージ家具をはじめ、各国のアンティークや古いものと共に暮らすIさん宅には、住宅や家具、身の回りのものも自身でメンテナンスしながら大切に使い続けたいという価値観が暮らしの隅々に息づいています。経年変化を受け入れ深みのあるものたちとの共存を楽しむ、自分たちでケアすることを大切にする暮らしぶりは心にゆとりを与え、より豊かな生活を育んでいるように感じました。物が溢れる現代社会だからこそ、ひとつの物を長く使うという豊かさに改めて気づかせてくれる取材となりました。いつも当店のご利用誠にありがとうございます。今後とも機会がございましたら当店をよろしくお願い致します。
北欧家具tanuki 北島