カイ・クリスチャンセンのNo.42チェア。北欧ヴィンテージの定番チェアとして長く愛される訳とは。

当店で取り扱う北欧ヴィンテージ家具のチェア。半世紀以上前にデザインされながら今なお作られ続け愛される名作も多数存在することから、北欧ヴィンテージ家具の普遍的なデザインや実用性が世界的に評価されていることが伺い知れます。そんな北欧ヴィンテージのチェアの中でもそのデザインや実用性で高く評価されるカイ・クリスチャンセンのNo.42チェア。当店でもデンマーク買付の際に見つかれば買い付ける北欧ヴィンテージの定番のチェアですが、なぜそれほどまでに人気なのか、その魅力をお伝えします。

背もたれをミナペルホネンのタンバリンで張り替えたタイプ。2色使いも人気です。

カイ・クリスチャンセンとは?

カイ・クリスチャンセン(Kai Kristiansen)は1929年にデンマークで生まれた家具デザイナーです。1948年頃、コペンハーゲンにある王立美術アカデミーに入学し、家具デザイン界の巨匠であるコーア・クリント(Kaare Klint)に師事します。その後わずか26歳で自身のスタジオを開いたクリスチャンセンは、やがてデンマーク・モダンスタイルと呼ばれるようになる家具を作り始め、後にデンマークの著名なメーカーで生産されることになります。
クリスチャンセンはチェア、デスク、サイドボード、ウォールユニットなど、デンマークモダンを代表する家具を製作しており、そのデザインは時代を超えた今でも高い評価を得ています。


カイ・クリスチャンセンのNo.42チェアの魅力

北欧ヴィンテージのチェアとしても定番の一品。そんなカイ・クリスチャンセンのNo.42の魅力は下記5点にまとめられます。

①背もたれが可動する

②ひじ掛けの位置が絶妙

③ハーフアームで収納に便利

④軽量

⑤シルエットが美しい

 

 

①背もたれが可動する

まず何と言ってもこのNo.42の特長は背もたれの角度が変わること。座面に深く腰掛けて姿勢正しく座ることはもちろん、少しリラックスして砕けた姿勢にも追従してくれるのでさまざまな姿勢で腰かけられます。この背もたれも背中のちょうど良い部分にフィットし腰を支えてくれます。座面周りも広いので、斜めに腰かけたり、だらーんとだらしない格好で座りこともできます。

姿勢正しく背を立てた状態。
背もたれに寄り掛かった状態。
姿勢にここまで追従してくれます。

 

斜めに座っても体に馴染みます。

②ひじ掛けの位置が絶妙

No.42の初めて座った方がよく驚かれる部分でもあるこのひじ掛け。座って肘を置いてみるとその高さや角度、さらに天面が沿っているのがポイントで上腕に絶妙にしっくり馴染みフィットします。このアームの造形も美しく、それでいて手で持った際の手馴染みも良いという点もグッド。痒い所に手が届く至れり尽くせりなひじ掛けです。

このカーブ具合がとても良い。

しっくりきます。

③ハーフアームで収納に便利

カイ・クリスチャンセンのNo.42はいわゆるハーフアームというひじ掛けを持っていますが、こちらも痒い所に手が届くデザイン。座面の先端くらいまでアームがあるデスクワーク用などのアームチェアの場合、腕全体を支えてくれ安楽性は高いのですが、テーブルに当たって天板下に収納できない場合もあります。その点、No.42は通常のアームチェアの半分程度の長さに収められており、アームチェアという機能を保ちつつ、天板下に収納しやすいという実用性も兼ね備えています。テーブルの天板下に収納できない場合、収納時にアームチェアとハーフアームでテーブル周りの導線に約20cmの差が生まれます。テーブル周囲のスペースがあまりない場合はこの約20cmこれがあるのとないのでは意外に違いは大きいです。

テーブルの高さによってはアームが当たって天板下に収納できない場合でも、座面の半分くらいは収納できます。

④軽量

カイ・クリスチャンセンのNo.42は見ての通り至極シンプルなデザイン、構造をしています。それゆえチェア自体も軽量で取りまわりをしやすいという点も魅力です。北欧ヴィンテージのチェアでは通常は座面全面が板で作られていることが多いのですが、こちらは枠で構成されているため、軽量化がされています。ちなみにこの枠に当店ではダイメトロールという布ばねを使用して張り替えるため、底辺り感がなくよい座り心地にも貢献しています。

⑤シルエットが美しい

北欧ヴィンテージのチェアの中にはシルエットが美しいチェアがたくさんありますが、こちらのカイ・クリスチャンセンのNo.42も美しいシルエットを持つ一脚。特に斜め後ろからのアームの造形や後ろ脚が見える角度が美しい(と個人的に思います)。脚は内向きになっているので、スタイリッシュな印象でありながら、4本脚が垂直になっているチェアと比べて脚まわりのスペースを取らず、椅子を引く動作で足を引っ掛けることも少ないデザインになっています。

 

カイ・クリスチャンセンのNo.42、現行品との違い

現在宮崎椅子製作所で製造が続けられているNo.42。現行品とヴィンテージの違いはどのようなところでしょうか。

①材の違い

②アーム横の木栓の違い

③座面下の違い

④フレームの細さや造形

⑤ヴィンテージでも年代で少しの違いが?※番外編

 

①材の違い

まずは材の違いです。私がこれまでみた限りですとヴィンテージものは【チーク材】【ローズウッド材】【オーク材】が存在しています。

宮崎椅子製作所で製造される現行品は【ブナ材】【アッシュ材】【オーク材】【レッドオーク材】【欅材】【ブラックチェリー材】【ウォールナット材】となっています。

オーク材は共通していますが、チーク材とローズウッド材はヴィンテージでしか手に入りません。共通しているオーク材も経年変化で飴色に変化している個体はヴィンテージならではの魅力です。

ヴィンテージでしか入手できないローズウッド材仕様のNo.42。杢目もかなり個体差があります。

ローズウッド材ならではの杢目や上品な存在感はヴィンテージならでは。

②アーム横の木栓の違い

外観的特徴の違いとしてはアーム横の木栓の違いになります。ヴィンテージは丸みがあり、現行品はフラットに仕上がっています。

ヴィンテージ仕様の木栓は表面が丸くなっています。この木栓の奥には背もたれ側の金具と接続するネジが入っていて、張替の際はこの木栓を取らないとネジを取ることができません。きれいに取れることは少ないので、基本的に作り直しになります。

③ピボットの金具

カイ・クリスチャンセンのNo.42の特長である動く背もたれ。背もたれ側面についている突起がアーム側にある穴の遊びの中で動くことにより背もたれの可動を実現しているのですが、ヴィンテージはただの穴(若しくは真鍮のカバーをしてある)ですが、現行品は金具で補強されています。ヴィンテージのチェアの場合はこの部分に破損があるものもよく見受けられるため、現行品では強度を高めるために改良されています。

普段は見えないアームの内側。

③座面下の違い

現行品には座枠の四隅に隅木を取り付けて補強してあります。ヴィンテージのNo.42にはありません。また、現行品には宮崎椅子製作所のタグと刻印があります。

④フレームの細さや造形

ヴィンテージと現行品の微妙な違いですが、ヴィンテージの方がわずかにフレームが細く作られています(※例外あり下記⑤参照)。また、アーム周りの造形も若干異なります。よりシャープな印象をお求めでしたらヴィンテージをお勧めします。

⑤ヴィンテージでも年代で少しの違いが?※番外編

実はデンマークで買い付けるヴィンテージのカイ・クリスチャンセンNo.42にはフレームの細さが異なる少なくとも2パターンが存在しています。アーム内側の遊びのある穴の仕様(真鍮カバーがあるかないか)や背板の構造(木材以外にもMDFを使用しているものある)、アームの造形など微妙な違いもあるのですが、細い方が古い方と思われます。よりシャープな印象のものをお探しでしたら特に後ろ脚がわかりやすいので見てみましょう。

左右共ヴィンテージのNo.42ですが、右の方がすっきりしています。特に脚先にそれが見て取れます。
フレームが細いタイプ。
フレームが少し太いタイプ。
アームの造形も微妙に異なります。右が細いタイプです。

カイ・クリスチャンセンのNo.42、現行品とヴィンテージ、どちらを選べばいい?

現行品とヴィンテージの違いをお伝えしましたが、結局どちらを選べばいいの?という方はこちらをご参考になさってください。

①価格

一概に言えませんが、現在のヴィンテージ市場の価格感からするとヴィンテージの方が現行品より価格は高いです。デンマークに家具を買い付けに世界中からバイヤーが訪れ、現地での供給量とその需要の関係で現地の価格は落ちず、近年の円安の影響もあり今後も価格は落ちそうにありません。もちろんチーク材やローズウッド材はそもそも現行品で作られていないためその希少性や材の価値の違いがありますし(※以前は宮崎椅子製作所でもチーク材仕様を製造していましたが現在は中止)、現代でチーク材やローズウッド材で新規で同じものを作ろうとすると、ヴィンテージで購入する以上の価格になると思われるので、チェアを価値を考えると決してヴィンテージの価格が高いということもないと思います(ローズウッド材のものはそもそも作れません)。

②耐久性

1954年にデザインされたカイ・クリスチャンセンのNo.42。当店で買い付けるヴィンテージものの多くは半世紀前に作られたものが中心となり、現在の機械加工の精度や工業規格の違いなどもあり、耐久性としては現行品に軍配は上がります。特にヴィンテージのNo.42はアームの可動部にダメージが発生することがあり、デンマーク買付時はこの部分にダメージがないか見て買付をしています(この部分は現行品では金属パーツを使用することにより改善しています)。ヴィンテージのNo.42も当店ではこれまでかなりの数を販売しており、経験上メンテナンスをしっかりすれば特に実用上は問題はないのですが、可動するという構造上(現行品も含め)長期に渡る使用において何か不具合が出る可能性は0ではございません。

③材の違い

現行品にはないチーク材とローズウッド材でお探しの場合はヴィンテージ一択です。個体差はありますが、ヴィンテージの経年変化の雰囲気はやはり現行品にはありません。

④見た目

上記で解説した通り、フレームの細さの違いがあるため、よりシャープな印象のものをお探しでしたらヴィンテージがおすすめです。現行品はどちらかというとシャープ寄りに作られているようです。

カイ・クリスチャンセンのNo.42の張替も楽しい

当店で取り扱うカイ・クリスチャンセンのNo.42はもちろん張替も可能です。

背と座を同じ色で張り替える定番スタイルから、背と座をあえて違う色で張り替えるバイカラー仕様もおすすめ。ミナペルホネンのタンバリン柄も定番の可愛さです。当店でこれまで張り替えた中からご参考までにいくつかご案内いたします。ぜひお気に入りの組み合わせを見つけてみてください。

ミナペルホネンのタンバリンにて張り替えたNo.42。ポップでかわいい。
Kvadrat/Raf Simons/Pilotを使用したNo.42。
Kjellerup Væveri社Herningにて張り替えたNo.42。背のみストライプの仕様。
Danish Art Weaving社Royalにて張り替えたNo.42。ポップで楽しげな配色。
Danish Art Weaving社Royalにて張り替えたNo.42。落ち着きある紺色は定番の色。
リバコ社RIBONシリーズにて張り替えたNo.42。
Kjellerup Væveri社SAMSØにて張り替えたNo.42。ローズウッド材とグレーの生地は相性ばっちりです。

カイ・クリスチャンセンのNo.42を選ぶ際に

カイ・クリスチャンセンのNo.42は、半世紀以上の時を経てもなお多くの人々に愛され続ける北欧ヴィンテージ家具の名作です。その背もたれの可動性、絶妙なひじ掛けの位置、収納に便利なハーフアーム、軽量で扱いやすい構造、そして美しいシルエットが見事に融合しており、デザイン性と実用性を兼ね備えた一脚です。現在では宮崎椅子製作所において現代のニーズに合わせて改良を加えながら製造が続けられていますが、希少なチーク材やローズウッド材を使用したヴィンテージ品では、その材の魅力やヴィンテージならではの雰囲気、シャープなフレームの造形も魅力的です。また、ヴィンテージの中でも製造年代によって細部の仕様に違いがあり、それぞれの特徴を知った上で、お好みのものを選んでいただければと思います。半世紀以上前のデザインながら現代の生活スタイルにも対応するカイ・クリスチャンセンのNo.42は、これからも多くの人々に長く愛され続けることでしょう。ぜひこの機会に、あなたもその魅力を体験してみてはいかがでしょうか。

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北欧家具tanuki 北島

 

滑らかな曲線が魅力。ヨハネス・アンダーセンのチェアの美しさを解説。

当店で取り扱う北欧ヴィンテージ家具にはデザイナーズからアノニマスのものまでさまざまなデザインが存在し、シンプルな物から構造的にそれ意味ある?という奇抜なものなど多種多様なものが作られてきました。北欧ヴィンテージ家具といえば丸みを帯びた曲線の柔らかさが特徴のものも多いのですが、その中でも特に曲線の美しさに定評のあるデザイナー、ヨハネス・アンダーセン。チェア以外にもチェストやサイドボードなどさまざまデザインしましたが、その魅力を最も感じられるチェアの魅力を今回はお伝えいたします。


ヨハネス・アンダーセンとは?

ヨハネス・アンダーセン(Johannes Andersen)は1903年デンマークのオーフスで生まれ、1922年に家具職人としての認定を受けます。1930年代半ばに自身の建築会社を設立、Trensum、CFC Silkeborg、Bramin、UldumMøbelfabrikなどの企業と協業しさまざまな家具を作り出しました。
有機的で美しい曲線を多用したヨハネス・アンダーセンの家具達は、デザイン性と実用性を兼ね備えており、北欧ヴィンテージ家具のとして日本をはじめ世界的に人気があります。代表作は1957年デザインの通称UFOテーブルやスマイルテーブルと呼ばれるコーヒーテーブルです。


北欧ヴィンテージ家具の真骨頂?ヨハネス・アンダーセンの魅力とは?

北欧ヴィンテージ家具界隈のなかでハンス・J・ウェグナーやフィン・ユールといった大御所とは異なり、知名度ではやや劣る印象のヨハネス・アンダーセンですが、それゆえ玄人好みな隠れた名作も多く一度知るとその魅力に引き込まれるという方も多いはず。そんなヨハネス・アンダーセンの魅力とは?

①滑らかな曲線の美しさ

②実用性と美しさを兼ね備えた構造美

③佇まいと後ろ姿の美しさ

 

①滑らかな曲線の美しさ

まずはなんといってもヨハネス・アンダーセンの魅力はその曲線の美しさにあります。曲線を多用した北欧ヴィンテージ家具の作品はたくさんありますが、その中でもトップクラスの曲線の美しさを持っていると思います。まずは画像にてその美しさをご覧ください。

横から見た際の美しさも魅力。

滑らかな曲線の背もたれは体を包み込んでくれるような座り心地。

ヨハネス・アンダーセンのチェアの代表格のこちらのチェア。北欧ヴィンテージ家具業界でも定番のモデルですが、背もたれから座面に伸びるアームの滑らかさは、木を削り出して作られているように見えないまるでガラス細工のような滑らかさ。この細く丸みを帯びたアームは、座った状態で少し椅子を前に出したいときに手で持つとしっくりくる位置・角度になっており、しかもとても手に馴染む造形で、ついつい触りたくなってしまうほど。

まるで粘土を伸ばして作ったのではないかと思えるほどの細いアームを無垢材の削り出しで実現。

特にこちらのモデルのぐぐっとくるポイントは上記画像の座枠にそっとやさしく触れているかのようなアーム先端のデザインで、手間をかけて丸く削り出して作られた造形にデザインのこだわりを感じます。加えて、背もたれも丸みを帯びており、アームから背もたれに掛けてのラインが非常に美しくデザインされています。北欧ヴィンテージの中でもさまざまなチェアが存在していますが、その曲線の美しさで右に出るものはなかなかないのではないでしょうか。

もう一脚ご紹介いたします。こちらはJulianと呼ばれるチェアですが、こちらも木を削り出して作られたとは思えない曲線を持っています。

細いフレームながら体にしっかり沿うような美しい造形。

この滑らかさを木を削って表現する、しかも量産するという技術力に感謝です。

 

②実用性と美しさを兼ね備えた構造美

ヨハネス・アンダーセンのチェアの魅力は曲線的な美しさに加え、それが実用性も兼ね備えている点。こちらのBA-113というモデルでは、ヨハネス・アンダーセンの特長である曲線を多用しつつ、実用性にも優れたチェアとなっています。

こちらのヨハネス・アンダーセンBA-113はいわゆるハーフアームという通常は座面の先端くらいあるアームを半分ほどにしたチェア。テーブルの高さなどが問題でチェアがテーブル下に収納できないという点をアームチェアという機能を犠牲にすることなく解決したチェアですが、まずはアーム先端の造形を見てください。よく見ると少し上向きになっていて、実はこれのわずかな傾斜があることにより腕馴染みが格段に上がり、とてもしっくり腕に馴染んでくれます。また、アームを支える支柱も丸みを帯びたデザインで、且つその支柱の根本部分も強度を保つために少し盛り上がった造形になっています。このチェアとしての強度と美しさを兼ね備えたデザインは本当によくできているなと感心します。このような機能美を随所に感じることができる点もヨハネス・アンダーセンのデザインの魅力です。

ヨハネス・アンダーセンのBA-113。

このBA-113は少し異なる造形のタイプも存在しています。

 

③佇まいと後ろ姿の美しさ

上記のように細かい部分に加え、全体で見た時のシルエットも美しいヨハネス・アンダーセンのチェア。普段実生活の中でチェアはテーブルに収まっていますので、なかなか正面から見る機会はないので、ひとつのチェアの選び方として後ろ姿の美しさでご検討いただくのもよい要素かと思います。その後ろ姿の美しいチェアをヨハネス・アンダーセンはたくさんデザインしました。ぜひお気に入りの一脚を見つけてみてください。

こちらはヨハネス・アンダーセンとしては珍しいソファ。
Julianの背もたれも美しい。

北欧ヴィンテージのチェアをお探しの場合はヨハネス・アンダーセンのチェアもぜひご検討を

ヨハネス・アンダーセンは北欧ヴィンテージ家具の中でもハンス・J・ウェグナーやフィン・ユールなど王道なデザイナーとは異なりややマイナーなデザイナーではありますが、その魅力は全く王道のデザイナーに引けを取らず、むしろ北欧ヴィンテージの魅力のひとつである曲線の美しさを最も体現するデザイナーの一人です。北欧ヴィンテージのチェアをお探しの際は、ぜひヨハネス・アンダーセンの作品もご検討してみてはいかがでしょうか。ヨハネス・アンダーセンのチェアは当店でも人気が高く、常に在庫がある状況ではございませんが、今度もさまざまなヨハネス・アンダーセンのチェアをご紹介していきたいと思います。

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北欧家具tanuki 北島

 

【北欧家具tanuki 3月の特別キャンペーンのお知らせ】

新生活をスタートさせる機会の多いこの季節。新しい環境での始まりに心躍る一方で、準備に伴う出費も増えがちですよね。最近は何かと物価高で少しでも出費を減らしたいという方も多いはず。そこで北欧家具tanukiではそんな時期だからこそ少しでもお力になりたいと思い、この3月、特別なキャンペーンを実施いたします。ぜひこの機会をご活用ください。

①配送料無料キャンペーン

3月末までの期間中に商品価格50,000円(税込)以上の家具をご購入いただいた場合、全国どこでも配送料無料でお届けいたします。大きな家具を購入する際の配送費用を気にせず、お気に入りのヴィンテージ家具をお選びいただけます。

裏話:ちなみにですが、、、さまざまな影響で今年から実は繁忙期のシーズンに家財便をご利用の場合、加算料金が追加されることになりました。本来はこの加算料金もお客様にご負担いただく予定だったのですが、その分も無料にするので出血大サービスです。

例:ダイニングテーブル1台、チェア2脚、ソファ1台、関東圏の場合

ダイニングテーブル 配送ランクD 10,800円(税込)

チェア 配送ランクB 4,300円(税込)*2=8,600円(税込)

ソファ 配送ランクC 7,400円(税込)

計 26,800円(税込) これは大きい!

※店舗及びネットショップでのご購入が対象です。ネットショップではご決済手続き後に配送料無料へ変更させていただきます。

※北海道、沖縄県及び離島を除きます。

※美術品輸送は対象外です。

 

②張替の生地代30%OFFキャンペーン

3月末までの期間中に当店でソファやチェアをご購入いただき張替をご依頼の場合、張替用生地が30%OFFになるお得なキャンペーンを開催します。お部屋のインテリアに合わせてお好きな生地を選んで新生活をスタートしましょう。

30%OFF対象はリバコ社・Danish Art Weaving社・Kjellerup Væveri社の生地となります。

⇒生地を見る

※本革やミナペルホネン、Kvadrat社などは対象外となります。

※お持ち込みの張替への割引は適用外です。

 

サンプル例

イージーチェア/ハンス・J・ウェグナー/GE236/チーク材【2409-0506】の場合

使用生地:Danish Art Weaving社 UrdStrib 単価27,100円(税別)/m

必要数 6.8m

通常価格 27,100円(税別)*6.8m=184,280円(税別)

⇒割引価格 27,100円(税別)*6.8m*30%OFF=128,996円(税別)

差額はなんと55,284円(税別)、これは大きい!もう一つ家具が買えますね。

(配送料無料キャンペーンと組み合わせたらすごいことになりそうで戦々恐々としています汗)

※張替済みの商品は割引対象外です。

 

③オイルメンテナンスワークショップ開催

オイル仕上げの家具を長く大切に使うためには、定期的なメンテナンスが大切です。家具をオイルメンテナンスして新生活のスタートを切りましょう。本ワークショップでは、オイルメンテナンスの基本を専門のスタッフが丁寧にお教えします。この機会にご自身の手でヴィンテージ家具を美しく保つ方法を学びましょう。

前回のワークショップの様子はこちらから

【ワークショップ内容】
✓オイルメンテナンスや塗装についての基礎知識の解説
✓オイルメンテナンスの方法・手順の解説と実演
✓実際に家具を用いたオイルメンテナンスの実施
【開催概要日時】
①2025年3月16日(日)10時00分~11時00分

②2025年3月22日(土)10時00分~11時00分

③2025年3月23日(日)10時00分~11時00分

✓場所: 北欧家具tanuki 工房2階
✓参加費: 無料
✓定員: 各4組(1組2名まで)
✓ 持ち物: 汚れてもよい服装、メンテナンスしたい家具

【お申込み方法】
店頭若しくは下記のいずれかの方法にてお申込みください。
メール:info@hokuokagu-tanuki.com
インスタグラムのメッセージやLINEも可
電話:0493-81-4642

【備考】
※オイルメンテナンスをしたい家具をお持ちの方はお持ち込みください。オイルメンテナンスに適しているかどうか確認しますので事前に当店までご相談ください。開催場所の都合上一人掛けのチェアくらいのサイズまでとさせていただきます。家具のお持ち込みがない場合は当店でサンプルの家具を用意させていただきます。
※メンテナンスで使用するオイルや資材はこちらでご用意いたします。
※今回のワークショップはオイルでのメンテナンスをまだしたことがない方など初心者向けのワークショップとなります。

 

4月からの新生活をより豊かに素敵に。皆様のご利用を心よりお待ちしております。

 

北欧家具tanuki 北島

 

ローテーブルとしてもダイニングテーブルとしても使える?!エレベーターテーブルの魅力

当店で取り扱う1950~70年代のいわゆるデンマークデザインの黄金期に作られた北欧ヴィンテージ家具。その美しさや普遍的なデザインも大きな特徴ですが、それに加え機能的で実用的な家具も多くデザインされました。その中でも特に通称エレベーターテーブルと呼ばれるテーブルはローテーブルとしてもダイニングテーブルとしても使えるという一石二鳥で機能的な一品。現代の日本人の住環境でも有用な機能を持った優れたテーブルです。そんなエレベーターテーブルの魅力や購入する上でのポイントをまとめます。

エレベーターテーブルの魅力

実用的なエレベーターテーブルの魅力は下記の3点にまとめられます。

①ローテーブル兼ダイニングテーブルとして使える

②デスクとしても使える

③ギミック好きには堪らない

 

①ローテーブル兼ダイニングテーブルとして使える

エレベーターテーブルの最大の魅力はローテーブルとダイニングテーブルの両方の機能を持つこと。低い状態で天板の高さが50~55cmとソファ前に置いて使用するコーヒーテーブルとしての機能を果たしてくれます。高さは通常2段階で調整可能で、高くすると70~72cmほどになるものが多く、ダイニングテーブルとして使用できます。これに加え多くのモデルでは奥行き方向に両サイド延長できる仕様となっているので、大きく広げて使用できます。サイズにもよりますが4人の大人が十分使用できる広さになるので大変便利です。

②デスクとしても使える

この延長機能は片方だけ出しても天板が傾いたりせず水平を保つ造りとなっているので、例えばダイニングテーブルの高さにして片方だけ延長天板を伸ばした状態で壁際に寄せればデスクスタイルとなるため、一石三鳥な機能を持っています。

実用例:音楽機材との相性もよいエレベーションテーブルとネストテーブル

③ギミック好きには堪らない

当店でこの動きを見たお客様からもよく考えられているな~と感心されることが多いエレベーターテーブル。この機能を実現するために天板裏は複雑な構造になっています。メンテナンスするのは大変ですが、当時の家具デザイナーや家具職人に頭が下がります。そのモデルによって展開方法も異なり、ユニークな立ち上がり方をするものもあります。ぜひ知らない人に見せて驚かせましょう。

エレベーターテーブルの注意点

魅力たっぷりのエレベーターテーブルですが機能的な反面、注意点もあります。何を優先するか考慮しましょう。

①椅子は収納できない

②重量が重い

③安定性

 

①椅子は収納できない

テーブルの脚が中央に付いているため、通常のダイニングテーブルのように天板下にチェアを収納するスペースは確保されていません。そのためチェアを常時置く場合はテーブル周りにある程度スペースが必要です。

②重量が重い

天板が二重になっていたり高さ調整のための構造の為、通常のコーヒーテーブルと比べると重量が重い傾向です。また、天板がエクステンション天板を出すために少し遊びがある構造になっているので、天板だけを持って持ち上げると天板が浮いてしまい持ち上げられません。持ち運ぶ際は大人2人で脚を持って移動しましょう。

③安定性

構造上脚が中央に位置しているため、通常のダイニングテーブルのように四隅に脚がついているタイプと比べると安定性は若干劣ります。また、天板が延長できたり高さが変えられる動く構造となっており、全体的な剛性はどうしても落ちます。実用上はそこまで気になるレベルではございませんが、より安定性やしっかりした造りをお求めの場合は通常のダイニングテーブルがおすすめ。それよりも機能面を重視したい場合はエレベーターテーブルがおすすめです。

 


高さと奥行きが変えられ、ローテーブルとしてもダイニングテーブルとしても使用できるエレベーターテーブルは大変機能的で使い勝手のよいテーブルです。ワンルームのような置ける家具が限られるスペースでもローテーブルとダイニングテーブルを兼用できるエレベーターテーブルは、実用的で実生活をより快適にしてくれるでしょう。その代わりチェアを収納できないなどの注意点もありますので、用途や導線、お部屋の空間を考慮の上、検討されてみてはいかがでしょうか。

当店ではエレベーターテーブルをはじめたくさんの家具を取り揃えております。お探しの家具がございましたらご遠慮なくお問い合わせください。

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ハンス・J・ウェグナーのGE258デイベッド、その使い心地や購入時の注意点とは?

当店で取り扱う北欧ヴィンテージ家具。1950~70年代のデンマークデザインの黄金期には多様な家具が生まれ、現代でも多くの作品が人々の生活を豊かにしています。そのような様々な北欧ヴィンテージ家具の中でも定番の人気商品であるハンス・J・ウェグナーデザインのデイベッドGE258やGE259、GE-6は、雑誌やSNSなどでもよく見かけ気になる方も多いと思われる反面、大型の家具なので気軽に取り入れにくいという一面も。今回はその魅力や購入時の注意点などをお伝えします。

丸脚チーク材仕様のGE-6。

GE258デイベッドの魅力とは?

憧れのGE258デイベッドにはどのような魅力があるのでしょうか。まずはGE258デイベッドのおすすめポイントをまとめます。

①4人くらい座れるゆったり感

②背もたれを上げてベッドとして使用できる

③天板はテーブル代わり

④背もたれ裏に収納できる

①4人くらい座れるゆったり感

角脚チーク材仕様のGE258。

まずはそのゆったりとした座面の広さ。ハンス・J・ウェグナーのデイベッドにはいくつかのバリエーションがありますが、現行タイプのGE258の全体の幅は206cmで座面の幅は約200cm。夫婦とお子さん2人の4人家族であれば並んで座れ、大人でも余裕をもって3人座れる十分な広さがあります。座面の奥行きは約52cmとひざを抱えて座ったり胡坐をかいたりお好みのリラックスした姿勢で腰かけられます。

角脚オーク材仕様のGE259。特注でアームクッションを追加。

GE259など袖があるタイプではアームにもたれ掛かることができるので、脚を投げ出して座ったり斜めに座ったり、使い方のバリエーションが多くなります。アームクッションもあればさらに快適です。

②背もたれを上げてベッドとして使用できる

スチール脚オーク材仕様のGE-6。

GE258はデザイン当時、学生寮向けにソファ兼ベッドとしてデザインされたこともあり、ベッドしても使用できることも大きな特徴。背もたれを上げると大人がゆったり横になれるスペースになり、お昼寝用や来客時の寝具としても活躍します。ベッドとして使用する際に使用できるシーツが付属するのがオリジナルの仕様。

旧タイプのシーツはフレームに打ち付けられていて脱着ができません。現行タイプは取り外し可能です。

③天板はテーブル代わり

背もたれの裏の天板はただのフレームではなく、テーブルとして使用できるよう水平にデザインされています。飲み物を置いたり、テレビのリモコンなど小物類を置くテーブルとしてたいへん機能的です。

テーブル代わりとしてはもちろん、テーブルランプなどの照明を置いてアレンジするのもよい。

④背もたれ裏に収納できる

背もたれ裏には空間があるので、ブランケットやクッションなど使用しないときにはさっと収納できるのもポイント。ごちゃごちゃしがちなソファもさっと隠せます。

 

GE258デイベッドのバリエーション

GE258デイベッドといっても実はいろいろな種類やバリエーションがあります。それぞれ異なった特徴があるので、ぜひお気に入りの一台を探してみてください。

①最初期タイプ

希少な最初期タイプの丸脚チーク材ラタン仕様のGE-6。
金属パーツを使用しています。

背もたれやフレーム内部の構造が他のモデルと異なり、側板の高さが少し低い造りの最初期タイプ。幅は現行モデルよりも少し幅が小さい198.5cm。背面にはスペーサーが付いています。流通するデイベッド中でも最も希少性が高いタイプで、上記画像のようにチーク材の丸脚・ラタン仕様は特に希少性が高い。コンパクト目のサイズ感や希少性の高いデイベッドをお探しの方におすすめ。

②旧タイプ

丸脚オーク材仕様のGE-6。

最初期タイプからひとつ世代が上がったタイプでGE-6と呼ばれています。脚は丸脚が基本で座面下の前板に丸みがあって柔らかい印象。現行タイプは背面が塗装されているものが基本ですが、こちらの旧タイプGE-6の背板はラワン材やシナ材を使用していており、空間の仕切りとしても使用できます。最初期タイプと現行タイプは座面クッションは取り外しができるのに対して、こちらのタイプはフレームに直接打ち込むため、座面の取り外しができません。現行タイプの幅206cmと比べると少し小さい幅195.5cmなので、小さ目のサイズでお探しの方におすすめ。

背面も木材を使用しているので、お部屋の仕切りとしても機能します。

基本的には上記画像のような袖なしタイプがメインですが、希少な袖ありタイプも存在しています。

旧タイプのGE-6では珍しい袖ありタイプ。

③現行タイプ

デイベッドの中でも定番中の定番タイプのGE258。
袖ありタイプのGE259。

最もスタンダードなタイプのデイベッドGE258。袖ありタイプはGE259と呼ばれます。幅は206cmと最も大型でゆったりしています。脚は角脚が基本で直線的ですっきりとした印象のデザインです。座面のクッションは取り外しができるので、掃除の際にも便利。背面は青みが掛かったグレーで塗装されていることが多く他の仕様と異なるポイントです。背もたれはファブリックを基本として、ラタン仕様やチーク材のみの仕様なども存在しています。希少性の違いから上記の2タイプと比べて価格は抑えられる傾向です。

④ダブルベッドタイプ※番外編

ハンス・J・ウェグナーのデイベッドにはダブルベッドサイズになるGE77というモデルも存在します。座面が奥行き方向に伸ばせる造りとなっており、背もたれを伸びたフレームに置けば広い座面の出来上がり。通常タイプと異なり背もたれが厚いのでよりゆったりくつろげます。

GE258デイベッドの脚の仕様について

脚は角脚と丸脚に加え、珍しいスチール脚も存在しています。それぞれお好みに合わせて選んでみてください。

①角脚

最もスタンダードなタイプの角脚。直線的でシンプルな印象です。

②丸脚

柔らかい印象の丸脚。ソファ下の掃除も楽ちんです。

③スチール脚

珍しいスチール脚。スタイリッシュな印象になります。

GE258デイベッドの注意点とは?

たくさんの魅力があるGE258デイベッド。ただし使用用途や住宅事情、お部屋のサイズによっては注意点もあります。そんな気になる注意点をまとめました。

①座り心地

座面はオリジナルの仕様では金属スプリングが入っているため、程よい弾力性があり心地よく座れます。一方背もたれはよくあるソファと比べるとウレタンが薄くまた高さもあまりないため、体を預けて座るというよりもちょこんともたれ掛かるというイメージ。体を投げ出してゆったり背もたれに体を預けたいという座り方には適しません。

②サイズ

お部屋に置いて圧迫感を感じないか検討してみましょう。側板が薄いので3~4人掛けとしては幅が小さい方ではありますが旧タイプであれば幅195.5cm、現行タイプであれば幅206cmと大型の為、お部屋のサイズによっては大きすぎることも考えられます。周りの家具や導線も考慮してみましょう。

③搬入

お部屋への搬入経路をよくご確認ください。一軒家の大きな窓があるお部屋などであれば搬入に問題はないと思われますが、一軒家の二階やマンション・アパートなど階段を通せなかったりやエレベーターに入らず搬入できない場合もあります。当店でも搬入経路が狭く、配送時に予定していた場所に搬入できなかったなどの事例がありますのでよくご確認ください。デイベッドは木ねじを外せばフレームを分解できるので、そのままの姿で搬入できない場合は分解しての搬入、設置場所での組み立ても可能です。

④袖ありの圧迫感

袖にもたれ掛かるなど座り方にバリエーションが多いGE259は便利な反面、お部屋の広さによっては圧迫感を感じることも。利便性と空間に対する印象や影響を考慮しましょう。

GE258デイベッドは張替も楽しみ

GE258デイベッドのひとつの楽しみが張替。座面と背もたれを同じファブリックで張り替えるのが基本ですが、あえて色違いにするのもおすすめ。これまで当店で張り替えた一部のデイベッドをご紹介しますのでぜひ参考になさってください。

背もたれをミナペルホネンのタンバリンにて張り替え。かわいらしくも落ち着いた雰囲気に。
背もたれをミナペルホネンのタンバリンにて張り替え。ポップでお部屋が楽しくなりそうな配色。

こちらの納品事例ページもご覧ください。

ハンス・J・ウェグナー/GE-6をお届け

ご希望の生地にて張替しましたハンス・J・ウェグナー/GE258をお届け

落ち着いた配色からバイカラーまで、さまざまに自分好みにアレンジできるのもポイント。背もたれはミナペルホネンのタンバリンにて張り替えるのも人気です。ぜひお気に入りを見つけてみてください。


北欧ヴィンテージ家具の中でも特にハンス・J・ウェグナーのデイベッドは、その機能性とデザイン性で多くの人々に愛されています。どのタイプを選んでも、それぞれに魅力がありますが、購入を検討される際には世代による仕様の違いやアームレストの有無、サイズや搬入経路など注意点をしっかり確認することが大切です。

自分好みに張り替えてアレンジを楽しむことも、GE258を持つ醍醐味の一つです。自分だけの特別な空間を演出するアイテムとして、あなただけのお気に入りの一台を見つけてみてはいかがでしょうか。皆様の暮らしにぴったりのデイベッドが見つかることを願っています。

当店ではこれまで数多くのGE258をはじめGE259やGE-6などを扱って参りました。

デイベッドをお探しの際にはご遠慮なくお問い合わせください。

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北欧家具tanuki 北島

【Workshop stories】リペア職人川中のメンテナンスブログ #1

北欧家具tanukiにてメンテンナンスを担当している川中です。以前も少しメンテナンスについてブログを書いたことがありますが、これから定期的にメンテナンスの様子をブログにまとめてみようと思います。普段はあまり表に出ないメンテナンスの様子をご紹介できればと思います。

まずは簡単に自己紹介を。出身は長崎で、以前は門松・鐘楼(しょうろう)船を作る竹職人をしていました。その後、木工の学校に通い、家具製作所を経てtanukiのメンテンススタッフとして入社しました。趣味はギターの弾き語りです。昨年、お店でクリスマスインスタクライブを行いました。また、やる機会がありましたら是非ご覧いただけると嬉しいです。

さて、今回はコーナーチェストのメンテンスをご紹介したいと思います。

 

残念ながら配送中の事故により角がつぶれてしまいました。今回はつぶれた部分の角を再生して突板を張り直して修復します。

小鉋(こがんな)で不要な部分を削ります。他の部分を傷つけないように慎重に作業します。

ノミを使って切口を整えます。このノミは研ぎやすくよく切れてとても使いやすいので、こんなに短くなっても使い続けています!

サンドペーパーで表面を調整します。

調整が完了しました。角を新たに作るために部材を作ります。

何度も当てながら材を調整します。

部材を取り付けます。隙間がでないように気を付けて接着します。

接着完了!

余分な部分をカットしていきます。本体が傷つかないように紙を当ててカットしています

このノコギリは刃にあさり(左右交互に外側に出ている刃)が無いので本体に傷がつきにくいです。

ノミで形を整え中。

角を再生しました。

ルーターを使って突版を貼る厚みを削っていきます。

突板を貼って色合わせ後、今回のコーナーチェストは全体的にラッカー塗装されていたので、艶感を調整してラッカー塗装して完成です。

BEFORE

AFTER

今回の作業では隙間やでこぼこが出ないよう気を付けました。今回はお客様のご希望で突板を継ぎ足す方法で行いましたが、もし継ぎ目をなくしたい場合は前面部分すべての突板の張り直しなども行います。今後もこのようにメンテナンスブログを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

北欧家具tanuki 川中