異なる土地のフィン・ユール邸には実は違いが。その変遷から見えてくるものとは?

北欧ヴィンテージ家具好きなら一度は訪れたいフィン・ユール邸。私店長はデンマーク買付の道中に度々現地のフィン・ユール邸は訪れたことがあるものの、長年高山のフィン・ユール邸は機会がなく行けず仕舞いでした。そんな中、今回はたまたま3週間のうちにデンマークと高山の両方のフィン・ユール邸を訪れる機会に恵まれたので、今回はフィン・ユール邸の変遷をテーマにブログを書きたいと思います。


フィン・ユールとは?

フィン・ユール(Finn Juhl)は1912年デンマークに生まれ、コペンハーゲンの王立デンマークアカデミーで建築を学びます。卒業後、デンマークを代表するモダニズム建築家ヴィルヘルム・ラウリッツェンの事務所で10年間働き、1945年に独立。インテリアと家具のデザインを専門とする事務所を設立します。彫刻家のような発想でデザインフォルムを生み出し、技術的にも時代の先端を行く家具を多く発表しました。 ユールのキャリアは、毎年開催されるコペンハーゲン家具職人組合の展覧会への参加によって開花されます。この展覧会は、若手建築家と伝統的な家具職人とのコラボレーションを通じて、デザインの革新を支援する国のイベントでした。職人であるニールス・ヴォッダーとのパートナーシップで大きな成功を収め、「ペリカンチェア」や「チーフテンチェア」など、数々の重要な作品を制作した。

フィン・ユール邸とは?

デンマーク現地のフィン・ユール邸は、フィン・ユールが1942年に自ら設計・建築した自邸。現在はコペンハーゲン郊外のオードロップゴー美術館の敷地内にあり、最初の建築から改築増築がされた最終形が残された状態で一般公開されている。

飛騨高山のフィン・ユール邸とは?

岐阜県高山市にあるフィン・ユール邸は、フィン・ユールが1942年に建てた自邸を2012年に株式会社キタニの敷地内に忠実に再現し建てられた施設で、NPO法人フィン・ユール アート・ミュージアムクラブによって運営されています 。施設内は見学が可能で、今回伺った際にはたっぷり1時間強の解説をしていただいた。常に同じ家具を展示しているわけではないので、時期によって置いてある家具は異なる。

両者の違い

両者の最大の違いは、現地のフィン・ユール邸は改築増築が繰り返された最終形態が残されているのに対し、飛騨高山のフィン・ユール邸は一番初期の図面をもとに建てられたという点。その違いを見ることで時代とともにどのように変化していったのかを読み解く手がかりとなる。早速見てみましょう。

 

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

まずは外観から。現地のフィン・ユール邸と同じ方角を向くように建てられている。国内だと一般的には南を向く大きく光を取り込むための開口部が西を向いているが、緯度の高いデンマークでは冬になると太陽の高度が低い状態が長く続く夕方のような天気となり、それに加えて夕方には仕事を切り上げて夜は家族と過ごすという文化柄、その西日を有効的に活用するために西を向いているのだそう。太陽の光が黄色いオーニングを通過することによって、室内に暖かみある色を取り込む工夫がされている。左側の建物は改築されていない分、高山フィン・ユール邸の方が短い。ベンチ上の藤棚は、高山が雪国のため設置を見送ったそう。

 

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

リビングエリアへ。東側の壁には本棚と共に小さめの窓。戦時中に建てられたため、空襲警報時の灯火管制が発令された際、すぐに閉められるようレールがない吊り戸を採用している。

現地フィン・ユール邸

現地フィン・ユール邸では窓枠の上部が青く塗られているが高山フィン・ユール邸は塗られていない。塗られていないのが初期かどうかは解説員の方もわからないという。

 

高山フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

現地と高山では置かれている家具が異なる。高山フィン・ユール邸ではキタニ製のNV53に加え、その前に置かれたテーブルは、この建物の構想当時、再現するなら面白いものをと考え、昔の雑誌に掲載されていたNV53の前に置かれていたこのテーブルを再現して作られた。わずかに折りたたみできるバタフライ式天板は、立食パーティーをするときに少しでもスペースを広げるためにデザインされたと想定されるそう。

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

現地ではチーフティンチェア、高山ではブワナチェア。奥のテーブルは幅広の一台のテーブルを使用している現地に対して、現地では小さいものを二つ並べている。

 

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸
現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

フィン・ユールのカクテルベンチ。クッションを畳めば片方はサイドテーブルとして使用できる。簡便なベンチですが、外を眺められるこの空間においては特等席。

 

現地フィン・ユール邸
現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

 

現地フィン・ユール邸
現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

初期の図面ではこちらの部分には棚はなかった模様。こちらのスペースから中二階のようになっているが、現地では地下室がある関係で高くなっている。高山のフィン・ユール邸には地下室はない。

 

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

玄関を入ってすぐ左側の仕事部屋。床はコンパスなどの設計に使う道具を落としても問題のないようコルクの床になっている。初期図面ではリビングに抜ける扉があるが、現地フィン・ユール邸では壁になっている。

 

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

ダイニングエリアは特に増改築はない模様。

現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸
現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

ゲストルームとなっている部屋は元々は子供部屋。二度結婚しているフィン・ユールは、最初の奥さんと離婚した後、子供部屋をゲストルームにしたそう。壁にイグサを使用していて、時間割や図面などを壁にピンで留められるようにするためのものだったとのこと。現地には天窓はあるが、高山にはない。

 

現地フィン・ユール邸
現地フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸
高山フィン・ユール邸

初期と比べると最も違いのある部屋はこの寝室。二人目の奥さんがもっと空間が欲しいということで壁をぶち抜いて増改築した。家具のデザインに置いて構造音痴とも呼ばれ強いこだわりのあるデンマークの巨匠中の巨匠フィン・ユールですが、奥さんの意見を取り込んで増改築するという点になんだか人となりや人間味を感じます。高山ではシングルベッドを二つ並べているが、これはアメリカのベーカーファニチャーに提供した当時の図面からキタニが再現して製作したもの。構造的に意味があるかは疑問だが、フィン・ユールらしい貫が特徴。

高山フィン・ユール邸

このほか、現地にはない靴を履くためのソファが高山フィン・ユール邸には設けられている


今回、デンマークと高山という異なる土地に建つ二つのフィン・ユール邸を訪れることで、初期設計と最終形との違いをじっくりと観察することができました。現地邸には、時代とともに変化した生活様式や家族構成が反映されており、一方で高山邸には、フィン・ユールが描いた初期の理想の住まいが忠実に再現されていますが、家族構成の変化や奥さんの意見によって増改築が行われた点には、フィン・ユールの人間味や柔軟性、そして彼自身の人生の軌跡が垣間見え、建築を通じて彼の変遷を追体験しているような感覚でした。

今回ご紹介した内容以外にも、フィン・ユールらしい繊細な作り込みや、空間に込められた思索の跡が随所に見られるフィン・ユール邸。建築家として「人が心地よく暮らすとはどういうことか」を問い続けたフィン・ユールの邸宅は、今を生きる私たちにとっても、住まいのあり方を考える大きなヒントを与えてくれる存在です。ぜひ一度、実際に足を運んでその空気を感じてみてくださいね。

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.18「ぬくもりと暮らす」北欧ヴィンテージ家具が彩る心地よい生活空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十八弾はMさん宅を訪ねました。これまでにもダイニングテーブルやサイドボードの搬入で何度かお伺いしているMさん宅。今回は、ハンス・J・ウェグナーを中心に北欧ヴィンテージでコーディネートされた素敵な空間を改めて見せていただきました。北欧ヴィンテージとの出会いから、実際に使ってみて感じたことまで、暮らしの中でのリアルな声を伺いました。


-北欧ヴィンテージはどのように知りましたか?

Mさん:学生時代に熊本県の大学に通っていて、その時によく通っていた古民家を改装したお洋服屋さんで使っていた古い家具がとても雰囲気がよく素敵だなと思っていました。働き始めて福岡県に移った後、いろいろなお店を巡る中で目に付くのは古くて雰囲気のある北欧ヴィンテージだなと、その時に自分の好みを認識しました。最初に購入した北欧ヴィンテージはキッチンペーパーホルダーで今でも使用しています。たしかTRAMさんだったと思います。20代の頃は毎年引っ越しをするような生活だったので家具は買えませんでしたが、現在の住居に引っ越して落ち着いたのを機に家具を買い集めました。

最初に購入したキッチンペーパーホルダーは現役で使用中。

-北欧ヴィンテージに惹かれたポイントはどこですか?

Mさん:木の質感やぬくもり、有機的な感じが好きなのかなと思います。こういう木のカーブや質感はいつ見ても飽きずに眺めていられます。音楽もアコースティックなものが好みですし、無機質なものよりはぬくもりのあるものを選ぶ傾向にあるのだと思います。

グンニ・オマーンのサイドボード。脚や取っ手のデザインが有機的で美しい。びっしり書籍を収納しているが扉の開け閉めはスムーズ。

Louis Poulsen PH 2/1 Table 琥珀色ガラス仕様。
ごちそうさまでした。

Mさん:北欧家具のいいところのひとつは、和のものに合っていることだと思っていて、物を選ばずとも自然に馴染むような気がします。民藝品も好きでお皿を使ったりしますが、それも北欧家具と相性がよくしっくりくる気がします。

ハンス・J・ウェグナーのGE290とGETAMA社製コーヒーテーブル。当店で張替もさせていただきました。
ハンス・J・ウェグナーのGE240オットマン。

-北欧ヴィンテージ家具を実際に使われてみていかがですか?

Mさん:普通のマンションですが、置いてあるだけでもお部屋の雰囲気が変わるので本当にありがたいなと思っています。これまでどなたかがデンマーク現地で使ってきたものなので、この家具の持つこれまでの歴史への敬意のような、大事に使いたくなる感じはあります。忙しいバタバタした時に手荒に使ってしまいがちな場面でも、自分を正してくれる感じがします。

ニールス・クラウセンの2段チェスト。

ハンス・J・ウェグナーのCH78 Mama Bear Chairは読書スペースに。

-北欧ヴィンテージを使う際に気になる点はありますか?

Mさん:サイドボードの扉なども調整をしてくれているのだと思いますが開け閉めもスムーズですし実用面も気になりません。あるとするとソファのスプリングの感じがアンティークという印象ですが、むしろアンティークやヴィンテージである方が心地よく雰囲気や味わいがあるので気に入っています。

-オイルでのメンテナンスはされますか?

Mさん:ちゃんとオイルを塗るのは年に数回程度です。普段はさっと拭いたりするくらいです。ダイニングテーブルを使うときはトレイやマットを敷いて使用しています。皿を直接置く場合もありますが、その場合は置く前にさっと底を拭いたりしています。習慣になっているので、特にわずらわしさは感じていません。気をつけているつもりでも日常的に使っているとどうしても時々うっかりシミになりそうなことや傷になることをやってしまうこともあります。そのような時はすぐに拭いて乾かしてオイルでメンテナンスすれば(これは夫がやってくれるので私は偉そうなことは言えませんが・・)かなり目立たなくなりますし、少しくらいの傷や跡も味のうちかと思います。そしていざとなればお店に相談できる心強さがあります。何より良いもの、気に入ったものを手入れをしながら長く使う喜びには代えられないものがあります

ハンス・J・ウェグナーのAT312とCH-29のダイニングセットはそれぞれチーク材仕様。CH-29は買付依頼をいただき、デンマーク現地でお探しいたしました。
ご購入から5年ほど経過しているがきれいな状態。
デンマーク現地でもダイニングセットの下にラグを敷くお宅をよく目にします。
スリットから漏れる光が美しいランプ。

-植物もたくさんあって素敵です。北欧家具との相性もよいですね。

Mさん:植物は手入れがいろいろ難しいことも多く勉強しないといけないのですが(笑)、色味は本当に相性がよいと思っています。

ベランダからはイチョウが見え秋になると紅葉を楽しめるそう。

今回Mさんのご自宅を訪問し、北欧ヴィンテージ家具に囲まれた温もりある心地の良い空間を拝見しました。木の豊かな質感、有機的な曲線、そして日本の風土にもしっくりと馴染む普遍的なデザイン。これらが北欧ヴィンテージの尽きない魅力であることは言うまでもありませんが、 特に印象的だったのは、「手荒に使いそうになる時、自分を正してくれる」というMさんの言葉。それは、家具が単なる機能を持つ道具ではなく、自身を律し日々の振る舞いにまで影響を与える深い存在であることを示唆していました。ヴィンテージ家具だからこそ生まれる人との関係性は、より豊かで丁寧な生活に貢献しうるということを改めて教えてくれる貴重な機会となりました。この度は取材へのご協力ありがとうございました。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

 

北欧家具tanuki 北島

お盆期間中の営業について

お盆期間中の営業は下記の通りとなります。

 

8月8日(金)~11日(月・祝) 通常営業

8月12日(火) 定休日

8月13日(水)~14日(木) アポイントメント制営業

8月15日(金)~17日(日) 通常営業

なお、8月18日(月)~21日(木)まではお休みをいただきます。

よろしくお願い致します。

 

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【椅子全部下ろす展】開催のお知らせ

 

当店では常時100脚以上の椅子をストックしておりますが、多くのものは倉庫の2階に隙間なくストックされており、気軽に比較検討できる状態になっておりません。正直店長も見にくいなーとずっと思っていました。そこでコンテナ入荷前の展示スペースが確保できるこの時期を利用し、【椅子全部下ろす展】を開催いたします。

ストックしているすべての椅子を下ろして店舗側の一室及び倉庫内に平置きして並べます。いつも奥の方に追いやられ日の目を見ることがなかったり、店長の記憶の彼方の椅子まで一堂にご覧いただけます。ぜひ座り比べしてお気に入りの椅子を見つけてください。※倉庫内はたいへん暑いので熱中症にご注意ください。

開催期間中、Instagramにイベント会場で撮影した画像をシェアしていただいた方に当店オリジナルのコースターをプレゼントいたします。投稿された場合はスタッフまでお申し出くださいませ。

tanukiオリジナルコースター

会場では店長がそれぞれのチェアのおすすめポイントを解説した小冊子を配布しております。椅子選びのご参考にお持ち帰りください。

開催期間:2025年7月25日(金)~8月17日(日)

※月曜日定休、火水木曜日はアポイントメント制となります。

なお、お盆期間中の営業は下記の通りです。

8月8日(金)~11日(月・祝) 通常営業

8月12日(火) 定休日

8月13日(水)~14日(木) アポイントメント制営業

8月15日(金)~17日(日) 通常営業

なお、8月18日(月)~21日(木)まではお休みをいただきます。

アポイントメント制での営業もいたしかねますのでご了承くださいませ。

 

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背板がなくすっきり。北欧ヴィンテージのオープンシェルフの魅力とは?

当店で取り扱う収納系の家具にはチェストやサイドボード、ワードローブまでさまざまなタイプがありますが、その中でも特に人気な商品がオープンシェルフ。当店でもデンマークやスウェーデンで見つかれば買い付け、おしゃれなお部屋を特集した雑誌やSNS上でも見かけたことがある方も多いはず。そんなオープンシェルフはなぜ人気なのか、その魅力を解説します。


オープンシェルフとは?

厳密な定義はありませんが、当店ではこちらの画像のように棚部分の背板がなく抜けているシェルフをオープンシェルフと呼んでいます。基本的に下段は引き出しや引き戸の収納になっており、下段は上段よりも奥行きが浅い造りになっています。当店で取り扱うヴィンテージ品のオープンシェルフはもちろんデンマーク製も見つかりますが、スウェーデン製の方が流通量も多く見つかりやすいです。

 

オープンシェルフの魅力とは?

そんなヴィンテージのオープンシェルフの魅力とはなんでしょうか。下記にまとめます。

①高さの割に圧迫感がない

②収納力抜群

③ディスプレイする小物が栄える

④デスクとして使えるモデルもある

⑤チーク材などの希少な材を使用

 

①高さの割に圧迫感がない

下段に比べ上段の奥行きが浅い。

オープンシェルフの基本的な構造は下段は引き出しや扉が付いた収納、上段は背板がない棚の構成となっておりますが、上段は下段に対して奥行きが浅い造りになっている且つ背板がないため、高さの割に圧迫感を感じにくいデザインになっています。背板があると物が奥に落ちなかったり便利な面もありますが、背が抜けて壁が見えることでそこに背の高い家具があることを感じにくく、狭いお部屋でも窮屈に感じにくくなっています。

②収納力抜群

もちろんそのオープンシェルフの構造にもよりますが、上段は棚のみのシンプルな構造が多いため、本から小物までたくさんの収納に対応してくれます。下段も複数段引き出しがあるなど、なんでも収納できます。

上段が棚のみのシンプルなタイプ。
上段にガラス扉や引き出しがついたタイプ。
上段に引き出しや仕切りがついたタイプ。
幅が狭いタイプもあります。

③ディスプレイが栄える

背が抜けていることでディスプレイされた輪郭がはっきりしてとても引き立ちます。光の入り具合にもよりますが、背面からも光が入るのでガラス小物などもよりきれいに見えることもあるでしょう。言わずもがな北欧ヴィンテージなので、オープンシェルフ自体のデザインもシンプルで主張しないので、お部屋にすっと馴染みつつ小物を引き立ててくれます。

④デスクとして使えるモデルもある

オープンシェルフはモデルによってビューローのように手前に引き出せる天板が付いているものもあり、簡易的なデスクとして使用できるタイプもあります。上段の小物の入れ替えやちょっとした作業スペースの確保など、痒い所に手が届く利便性の高い点も魅力。

⑤チーク材などの希少な材を使用

デンマークやスウェーデンで買い付けたヴィンテージのオープンシェルフは、現代では高価でなかなか使用できないチーク材などを贅沢に使用しています。時間を経なければ表れないような経年変化も魅力です。


当店でも定番の人気商品のオープンシェルフは、北欧らしいシンプルで洗練されたデザインと収納力抜群の機能性を兼ね備えた逸品です。背板がないため圧迫感が少なく、狭い空間でも軽やかに馴染みます。上段はディスプレイに、下段は引き出し収納で実用性も◎。簡易的なデスクとして使えるモデルもあり、使い勝手の良さも魅力です。また、チーク材など希少な素材を使用し、美しい経年変化も楽しめる点は北欧ヴィンテージならではの魅力です。収納や小物のディスプレイに家具をお探しの際はヴィンテージのオープンシェルフもぜひ一度ご検討ください。当店では常時たくさんのオープンシェルフをストックしております。気になる商品がございましたらご遠慮なくお問い合わせくださいませ。

メンテナンス済みのオープンシェルフはこちらから

メンテナンス前のシェルフはこちらから

 

北欧家具tanuki 北島

【tanuki journal】No.17 遊び心ある小物のコーディネートと名作家具のシンプルモダンな空間

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第十七弾はデンマーク現地の様子をお届けします。お伺いしたのは十年以上の付き合いになる家具ディーラーであるO氏宅。O氏の元で買付中にご自宅に伺わせていただきました。モノトーンを基調としたシンプルな室内の中に、所々に飾られた小物にデンマークらしいセンスを感じるコーディネートでした。


まず玄関を抜けるとダイニングエリアへ。白を基調としたシンプルで爽やかなコーディネートに、所々小物を合わせたスタイリング。

ハンス・J・ウェグナーのCH-24 Yチェアにフリッツハンセンのスーパー楕円テーブル。

今までの現地取材の傾向として、同じチェアで6脚揃えているパターンが多くみられるので、デンマークでは定番のコーディネートと言えるでしょう。照明はルイス・ポールセンのENIGMA 425。

テーブルの向かいにはコレクション棚。わいわいにぎやかで楽しげです。

カイ・ボイスンのくま。
カイ・ボイスンの衛兵のコレクション。

天使のオブジェ。こういったアートの取り入れ方が素敵。

カイ・ボイスンの象とダックスフンド。
イッタラのバード。

ビヨン・ヴィンブラッドのフラワーベース。

壁面にもたくさんのコレクション。遊び心ある楽しげなコーディネートです。

キッチンへ。定番の窓際の照明にはホルムガードを2灯使用。

ホルムガードのKropendelペンダントライト。

リビングエリアへ。

お寛ぎのところ、失礼致します。
ルイス・ポールセンのPH 3/2。

ラタンのサイドテーブルに観葉植物の組み合わせは相性良し。
キュートなネズミのオブジェ。

リビングエリアにはハンス・J・ウェグナーのCH445をはじめとして名作を使用。

アルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

ルイス・ポールセンPH3/2。
ルイス・ポールセンPH80にハンス・J・ウェグナーJ16ロッキンチェア。

壁に光が明かるようにPH80を設置。光の陰影が美しい。

小物の遊び心。
コーナーに照明を吊るすのは定番コーディネート。


今回訪れたO氏宅は、当店で普段よく扱うチーク材やオーク材の素材を活かした家具は少なく、ペイント物のYチェアやスチールレッグのエッグチェア、革張りソファなどモノトーンでまとめられた空間となっており、こういったシンプルモダンなスタイリングにも対応する北欧家具の奥深さを感じた取材となりました。モノトーン基調の中に所々アクセントとなるアートや小物や照明を配置することで、シンプルになりすぎ心地よい空間に仕立てている点は参考になるのではないでしょうか。O氏ありがとうございました。

 

北欧家具tanuki 北島