北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。
第十六弾はデンマーク現地の様子をお届けします。デンマークでの買い付けの日程を終了し、あとは帰国のみという段階で泊まったとある宿。建物や周りの環境もとてもよく辺りを散策しているとホテルのオーナーさんが声を掛けてくれ、話しているうちに隣接するオーナー宅の中を見せてくれることに。全然期待していなかったもののまさかのコレクションに遭遇して急遽取材することになりました。デンマーク恐るべし。
宿と隣接するオーナー宅は1827年に建てられ、水車を利用した製粉所として使われていたそう。1954年にデンマークで最初に保護遺産に指定された水車のひとつとなり、現オーナーが約17年前にこの建物を購入。リノベーションを行い二棟あるうちの片方は宿として、もう片方は自身で住まわれている。
まず二階に上がるとベアチェアが2台お出迎え。全然想定していなかったのでびっくりしました。

このベアチェアですが、お家をリノベーションの為に屋根を外した際に搬入したそうで、階段や窓も小さいため搬出ができないそう。ベストなセキュリティだ(笑)と言っていましたが、、、いいのでしょうかそれで。

古いダイニングテーブルにハンス・J・ウェグナーのCH-29を合わせて使用。ジャンルは異なれどこういった組み合わせも良いのではないでしょうか。宿のオーナーさんは背もたれがフィットしてお気に入りとおっしゃっていました。当店でもお勧めのチェアのひとつです。

フィン・ユールのチーフティンチェア。ヴィンテージではなく現行品とのことですが、こちらも屋根を壊さないと搬出できないとのこと。
奥に進むと大量のロイヤルコペンハーゲンのコレクション。貴重な作品を拝むことができました。恐れ入りました。


一階に下ります。カントリー調のリビングエリアには所々デンマークデザインの名作が配置されています。



現代のデンマークでは断熱性能が高く部屋を広く取る間取りが多いが、今の住宅性能とは異なる昔の住宅は、寒さ対策で部屋を細かく区切って扉を付けて熱が逃げないようにしていたそう。”現代のデンマークの生活とはだいぶ違うけど、この生活が気に入っているわ”とオーナーさん。
キッチンへ。窓の正面に照明は定番の配置。窓の外の風景も素敵。





デンマークの伝統的な母屋をリノベーションした空間に、デンマークモダンデザイン以前の伝統的なスタイルとモダンデザインを組み合わせた心地よい空間が印象的な取材となりました。現代のデンマークの生活スタイルとは異なるスタイルではあるものの、窓際にガラス小物を置いたり、照明をぐっと控えめにするスタイルはやはりデンマーク。モダンデザインだけでコーディネートするのではく、カントリーやアンティーク調の家具達にデンマークのモダンデザインを取り入れたミックススタイルの参考になる有意義な時間となりました。急遽の取材対応ありがとうございました。
北欧家具tanuki 北島