小振りで収まりのよい掛け心地が魅力。カイ・クリスチャンセンのNV31を選ぶ理由

当店で取り扱う北欧ヴィンテージのチェア達。普段の生活で長く使うものだからしっくりくるものを使いたいところですが、有名デザイナーから無名のものまで数えきれないくらい種類があるので、チェア選びはなかなか悩みどころのひとつですよね。当店でもこれまでたくさんのチェアを買い付けて参りましたが、そんなチェア選びのご参考に今回はカイ・クリスチャンセンのNV31をご紹介します。

カイ・クリスチャンセンとは?

カイ・クリスチャンセン(Kai Kristiansen)は1929年にデンマークで生まれた家具デザイナーです。1948年頃、コペンハーゲンにある王立美術アカデミーに入学し、家具デザイン界の巨匠であるコーア・クリント(Kaare Klint)に師事します。その後わずか26歳で自身のスタジオを開いたクリスチャンセンは、やがてデンマーク・モダンスタイルと呼ばれるようになる家具を作り始め、後にデンマークの著名なメーカーで生産されることになります。
クリスチャンセンは、チーク材とローズウッド材の接合を得意とし、チェア、デスク、サイドボード、ウォールユニットなど、デンマークモダンを代表する家具を製作しており、そのデザインは時代を超えた今でも高い評価を得ています。

NV31とは?

1956年にSchou Andersen Møbelfabrik社よりカイ・クリスチャンセンデザインで発表されたモデル。現在では宮崎椅子から復刻しHANDYというモデルで生産がされています。当店の経験上、ヴィンテージのモデルでは、チーク材、アフリカンチーク材、ローズウッド材が存在し、小振りなサイズ感と座り心地の良さで当店でも人気の定番チェアのひとつです。


カイ・クリスチャンセンのNV31のおすすめポイント

NV31のおすすめポイントは下記にまとめられます。

①背中を包み込んでくれるようなフィット感

②ハーフアーム的な使い方ができる

③内向きの脚の後ろ姿

④バイカラーの張替も楽しい

詳しく見ていきましょう。

 

①背中を包み込んでくれるようなフィット

まずNV31の魅力は座り心地の良さです。見た目からもわかる通り背もたれが半円のような形になっていて、背中にやさしくしっくりとフィットします。デンマークのチェアとしては小ぶりなサイズ感なので、日本人の体格にもぴったり。背もたれの位置も腰をサポートしてくれるような位置なので長時間座っても疲れにくいです。

②ハーフアーム的な使い方ができる

NV31の背もたれは肘が少し掛かるくらいの位置にデザインされているので、アームチェア的な使い方も可能。もちろん腕全体をサポートしてくれるアームチェアとは使い勝手は異なりますが、少し引っ掛かるだけでも腕馴染み感が格段によくなります。アームチェアだとテーブルに収まらない、だけどアームチェアの機能性も捨てがたい、という場合には特におすすめなチェアです。

③内向きの脚の後ろ姿

NV31は後ろ姿も美しいチェア。その要因の一つはこの内向きの脚ではないでしょうか。ただ単にまっすぐに下ろすのではなく内向きにすることですっきりとした印象になり、且つ椅子を引くときに足に当たりにくくなるという実用性も考慮されています。また、フレームに三角形を作るいわゆるトラス構造をしているので、脚間に貫を作ることなく強度を保っているという点もポイント。美しさと実用性を兼ね備えたデザインです。

④バイカラーの張替も楽しい

NV31は背と座をそれぞれ張り替えますので、背と座を異なる生地で張り替えることも可能。自分だけのオリジナルの組み合わせを見つけて、世界に一脚だけの自分仕様のチェアを作る楽しみもあります。当店の定番はグレーとからし色の組み合わせ。背もたれのみミナペルホネンなどの柄ものを張ってもかわいいですね。


当店でも定番のカイ・クリスチャンセンのNV31。ヴィンテージのチェアとしては比較的市場での流通数は多く、買付で見つかる頻度も高いチェアですが、近年のヴィンテージ家具の相場上昇やコンディションのよい個体も減少してきているため、今後はより希少性も上がっていくでしょう。このモデルでお探しの場合は現行品のHANDYも選択肢のひとつですが、チーク材やローズウッド材などヴィンテージでしか流通の無いモデルをお探しの場合はぜひ当店までご相談ください。当店では買付から木部のメンテナンス、張替まで一貫して行い皆様にお届けしています。在庫がない場合も買付の際にお探し可能ですので、ご希望の場合はご遠慮なくお問い合わせくださいませ。

 

北欧家具tanuki 北島

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