【tanuki journal】No.4 『うちのヴィンテージ』を育てるご一家の心地よい暮らし

北欧家具tanukiにて取り扱う北欧ヴィンテージ家具・雑貨達。今から50~70年前に作られた作品達は今もなお現代の生活を彩り豊かさや温かみを与えてくれます。当店で出会いを果たした家具・雑貨達が暮らしの中でどのように取り入れられているか、お客様宅を訪問・取材し心地よい暮らしのヒントを探る【tanuki journal】。

第四弾はAさんご一家宅を訪ねました。古着や時計、自転車など様々なヴィンテージ物に造詣の深いAさん。元々はイタリア系のミッドセンチュリーやレザー、インダストリアルなテイストでお部屋をまとめていたそうですが、最終的に北欧ヴィンテージに落ち着いたそう。ヴィンテージの魅力や想いなどについてお伺いしました。


-北欧ヴィンテージ家具はどのようなきっかけで知りましたか?

Aさん:最初はハンス・J・ウェグナーのゴートレザー仕様のYチェアを手に入れたことがきっかけです。住宅を購入して最初の頃はコンランショップやシボネ、イタリアのミッドセンチュリーやレザー、アイアン系でまとめて木製の家具は使用していなかったのですが、ある時、奥さんのお友達から北欧家具tanukiさんの情報を聞いてお店に伺い、このビューローを迎い入れたことも大きなきっかけです。それから北欧ヴィンテージを集め始めかなりお部屋の雰囲気が柔らかくなりました。

当店で初めて購入されたビューロー。奥様の大のお気に入りとのこと。

-こちらのビューロー素敵ですよね。

Aさん:奥さんもとても気に入っています。三段ある引き出しは私と奥さんと子供それぞれが一段ずつ使用しています。引き出しが多いのが本当に助かりますよね。

-こちらのビューローのお気に入りポイントはありますか?

Aさん:完全にデザインですね。形の柔らかさや丸みが他にはないですし杢目も美しいです。

ビューローの中にはAさんのコレクションのヴィンテージウォッチがディスプレイされています。
ブラックライトを当てて蓄光の様子を確認。古いものは光り方が弱いとのこと。
約100年前のロレックス。文字盤が陶器製。
ピーター・ヴィッツ&モルガードニールセンとグレーテ・ヤルクのイージーチェア。
ハスレヴ社/ロイヤルコペンハーゲンのタイルトップテーブル。

-元々のインテリアの系統から異なる北欧ヴィンテージを選ばれた理由はありますか?

Aさん:チーク材などの木材が経年美化するものが好きなのかなと思います。こちらのYチェアは新品で購入しましたがこれから経年美化させたいと思っていますし、最近は真新しいものよりは少しヤレ感のある方が好みです。時間を掛けないと出ない雰囲気が魅力ですし、その雰囲気が出るまでに掛かる時間を含めてヴィンテージ物は価値があるのではと思っています。

ハンス・J・ウェグナーのYチェア。それぞれ奥様とお子様用。

Aさん:真鍮製の照明などはわざと触って経年変化させていい味になっていますし、ビューローに置いてある銀製のベースも触っているうちに虹色が表れてきてきれいなんです。猫に何回も落とされていますけど笑。それも含めさらにヴィンテージにしていく感じです。

-猫ちゃんに落とされるのも歴史のひとつですね。

真鍮を絞り出して作られた照明。経年でよい雰囲気になっています。
ルイスポールセン PH 2/1。

Aさん:あとは置いてあるだけでほっこりするといいますか、眺めているだけでも癒されますし、そういうところも気に入っています。お家時間が楽しくなったと奥さんも言っています。

ロイヤルコペンハーゲンのプレート。

-北欧ヴィンテージ家具を購入する時、どのような点を見ていますか?

Aさん:ほぼインスピレーションですね。いいと思ったらサイズ感とか気にしないで買ってしまいます笑。あと杢目は一点一点異なるので買うときは杢目を見てしまいます。個性があるものがいいですね。また、例えばこのモラーのチェアにしてもフレームの3次元的なカーブだったり、他のチェアでもアームの下の部分が掻き込まれていたり、そういう造形をつい見てしまいますし、見つけたときはグっときてしまいます。

ニールス・O・モラーのModel.64。

-北欧ヴィンテージを使う上で気を付けていることはありますか?

Aさん:全然その辺りは気にしてないですね笑。汚れたら拭くことはありますが、経年させたいところがあるので基本的にはそのまま気にせず使用しています。一緒に時間を過ごして変化させたいなと思っていて、そういう楽しみはあると思います。ヴィンテージで購入してさらにヴィンテージにするといいますか、うちのヴィンテージにするという感じです。

Aさんお気に入りで当店のご近所でもあるコヤナギコーヒーニッポンのスペシャリティコーヒーいただきました。
当店で家具を見てコヤナギコーヒーニッポンでコーヒーを飲みながら家族会議するのがいつものルート。

和室の一角にホルムガードのランプ。

-二階のお部屋にもお邪魔します。こちらはAさんのお部屋ということでしょうか?

Aさん:はい、私の部屋ですが、むしろ猫や奥さん、子供がよく使っています笑。ピーター・ヴィッツ&モルガードニールセンのコーヒーテーブルも真鍮のパーツが使用されているところなどグっときます。

ハンス・J・ウェグナーのゴートレザー仕様のYチェアを窓際に。
当店でメンテナンスさせていただいたアクセル・ベンダー・マドセンのイージーチェア。
ピーター・ヴィッツ&モルガードニールセンのコーヒーテーブル。天板が無垢材なので重く、二階に運ぶのに苦労したそう。
ルイスポールセンのPH 2/2 クエスチョンマークテーブルランプ。

ホルムガードのランプ。
ヴィルヘルム・ラウリッツェンのラジオハウスペンダント。
珍しいデザインのホルムガードのベース。ペンギンのようでかわいい。

-ヴィンテージの自転車も素敵です。

Aさん:一時期は十数台所有していましたが、売却して売ったお金が家具になっています笑

1975年製のピストバイク。

-夜の雰囲気も素敵そうです。

Aさん:ホルムガードの照明は少し明るすぎるので、もう少し暗めになるように真鍮の照明に交換する予定です。次回の買付でぜひ探してきてください笑

-はい、現地で探してみます。

Aさん:いろいろなものを購入してくるとより良いものが欲しくなってよくさまざま探しますが、オークションなどを見ていてもなかなか見つからないことが多いです。そんな中、tanukiさんに伺うと偶然見つかることがある。それが面白いですよね。毎月のように伺っていますが毎回楽しみにしています。


ヴィンテージ愛好家のAさんが辿り着いた北欧ヴィンテージの世界。イタリアンやインダストリアルなテイストから、チーク材の温かみや経年変化の味わいに魅了され、今では暮らしに欠かせない存在となっています。新品の輝きよりも、時を重ねることで生まれる独特の風合いを大切にし、家族とともに自分たちだけの「うちのヴィンテージ」を育てていく姿勢が印象的でした。家具との出会いは予期せぬものかもしれませんが、それぞれの暮らしに寄り添い、新たな物語を紡いでいく。そんな北欧ヴィンテージ家具の魅力が、Aさん一家の心地よい暮らしの中に確かに息づいていました。いつも当店のご利用ありがとうございます。今後とも引き続きよろしくお願い致します。

北欧家具tanuki 北島

 

 

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